やわらかいカーテン越しに届くは、初夏の白い光。それは頬をまあるく照ら して、揺れていた。白壁をみると、そうっと手を伸ばしてしまう。わあ、と いつか私も初めて訪れたときに声を漏らしたみたく、友人も目を輝かせてい た。小さな公園の隣に佇む一軒の小さなカフェは、いつか、大切なひとに教 えてもらったもの。

素敵なものを素敵だと、おいしいものをおいしいと。好きなものを好きだ、 と。大好きな場所なの、と教えてもらった場所を、同じ言葉できょう私も白 壁の小さなカフェを指差した。好きなもの、の連鎖を繋げていく。あの子も、 誰かにこうして教えてもらったのかな。あなたも、誰か大切なひとを連れて 白壁を指差すのかな。

土曜の午後、無機質なアスファルトにふたつの影。影を見るだけで、ふたり 楽しんでいることが伝わってくる。声を聞くだけで分かるよ、だなんてよく いうけれど、影だけで伝わってくるよなんてね、ふたりの距離。手を伸ばし て、指差して。さあ、次はどこへ行こうか。

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綴る文字は体温計のようで、自身の心持ちをときに意地悪に、表してくれる。 揺られた電車で綴ったみたく、揺れ、頼りのない文字が続いている。一度、 深く息を吸う。とても綺麗に文字を書くひとが、いた。文字をひとつのデザ インのように丁寧に書くひとで、くすくすと、それを向かいの席で見ている のがとても好きだった。

7月5日(土) 晴れ

 

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