『ごっち、リュック開いとるー!!』上から大きな菊さんの声。菊さんは自転車小屋の
よく見える、3階の廊下の窓から教えてくれた。えええ!って思ったら開いてた。
ひゃー、さっきお弁当箱リュックに入れようと思って辞めたんだった。こんなところ
ユニ君に見られないでよかった。恥ずかしいったら恥ずかしい。菊さんが『朝練して
たよ』って教えてくれた。わー!ユニ君、元気になったんだ!よかったぁ。

『おはようって言いまい♪』アネゴが教室に入ろうとした私にそう言った。このまま
廊下にいたら、ユニ君は通る。でも、アネゴを引っ張って教室に入ってた。"おはよ
う"って言うだけなのに、イチバン言いやすいことばなのに、勇気がいる。後悔する
ことになるのだけれど、アネゴの席で教室に入ってくるユニ君を見た。心の中でお
はようって言った。久しぶり(でもないけど)に見るユニ君はカッコよかった。ニコー
って目が垂れ下がって、大きな口をあけて笑ってる。やっぱり、ユニ君が好き。

ちょぴんの席のところで、タエちゃんが朝倉先生の身長のお話をしていた。ウメさん
やアネゴが朝倉先生の身長を勝手に想像していた。前、すごくすごく朝倉先生のこ
と、カッコイイなぁって思ってたけど、少し前の私なら今みんながしているお話に、
夢中になっていたと思うけど、同じ教室の中にいるユニ君のことばかり気になって
いた。1度だけ、ユニ君と目が合った。バチって合った。思わずウメさんに『目が合
っちゃった』って言って、腕をギューってした。ドキドキ。ドキドキ。

体育。ユニ君のサーブとかめちゃカッコイイ。ずっとずっと、見てしまった。ゲームに
勝ち進んでいって、イチバン強いチームは男子のコートの横でゲームをすることにな
る。私のチームは何だか勝ち進んでいって、隣のコートになれた。どひゃー!ユニ
君の試合が近くで見れてよかった。やっぱりいつも笑顔で、こっちまで嬉しくなっ
た。ユニ君のコートにボールが飛んでいったときはどうしようかと思った。ドキ。

まゆちゃんと広告制作の授業へ行こうとして、教室を出ると食堂から帰って来た
ユニ君たちと、すれ違うことになった。目が合って、どわーって感じですぐに下を向
いたら、ユニ君も微妙に下を向いていた。ひゃー!いつも、目が合ったら離さないぞ
大作戦(なんじゃそりゃ)を心がけているけど、成功したことがない。明日こそは!

ユニ君の"起立、礼!"って言うときの声がすごく大きくて、響いて、ドキドキする。
気にならなくちゃ、普段聞き流れていくことばだけど、気になるから、ずっとずっと
残ってる。"起立、礼!"はみんなに向けているけど、"おはよう"って私だけのため
に言ってもらえるように、勇気を出してみようかな?

CHARCOAL FILTER "Brand-New Myself〜僕にできること"
昨日買いました。すごーく大好き。やっぱり、がんばらなくちゃだわ。

5月30日(木)

 

まさかまさかユニ君があんなメール送ってくれるとは思ってなかったから、学校へ
行くのがいつもよりも もっと楽しみで、ドキドキした。ユニ君を見たら思わず笑っち
ゃいそう。ギャグとかなんてひとつも考えなさそうなのに。ドキドキ。ユニ君の新しい
一面。好きなところが、ひとつ増えたよ。

『あれ?チャイム鳴ったのに来てないね。』菊さんが言った。ほんとだ、どうしたん
だろう?いつもユニ君が朝のSHRのとき"起立、礼"って言うのに、違った。先生が
『三好くん、お休みね。』って言った。えええ!朝のSHRは頭がぽーってして、よう
こちゃんが『起立、礼』って言っても、ぽーってしてた。気がついたら携帯握ってた。

"風邪?大丈夫?"

学校からメールするなんて、ダメな子!とか思われないかな、とか 寝こんでいる
かもしれないのに迷惑かも、とかいろいろ思ったけど、とっさに送ってた。タケワっ
ちが、昨日あいつ調子悪そうやったって言ってた。・・だからあんなヘンテコなメー
ルだったのかな?…うーん。心配。前みたく、微熱くらいだったらいいのにな。

古典の時間、携帯をペンケースの中に入れて、着信がすぐ分かるようにした。授業
もひとつも聞いていなくて、助動詞の活用法、いつもは答えるの好きなのに、言え
なかった。黒板の字も何度も写し間違えた。ペンケースの中の携帯の窓は、ずっと
時刻を表示していた。

地理。席はど真ん中だけど、携帯をやっぱりペンケースの中に入れた。教科書も開
かず、ひたすらそわそわしてた。授業がやっと30分済んだくらいのとき、ピカピカ
光った。見間違いかなって思ったけど、間違いなく携帯がピンクに光ってた。わ!
見ると、窓に"メールが届いています"と書いてあった。この文字をこんなに長くみた
ことなんてなかったくらい、ずっと見てた。少しして先生の目を盗んでメールを見
た。

"風邪ひいて頭が痛い↓"

叫びそうになった。大丈夫なのかな。何でこんなに心配なんだろうってくらい、そわ
そわした。何で私、地理なんて受けてるんだろう、とかヘンテコなことまで考えた。
とにかく、今すぐ返信したかった。目の前にいないと、すごーく会いたくなる。会っ
てもマトモに話すことなんてできないけど、やっぱりユニ君には教室で笑っててほし
いんだ。なんて大胆なこと考えている自分に恥ずかしくなって、頬杖ついていたら
ワカミヤ(地理担)が『お前グリーンピースって知ってるか?』って聞いてきた。え?
とか思って、頷いたら『・・マメのほうじゃないぞ?』って言われた。『今マメのグリン
ピース頭に浮かべとっただろ。』って笑われた。何がなんだか分からなくて、やっぱ
り授業は聞いておかなくちゃって思った。 Green peaceとは環境保護団体の
ことみたい。うー覚えたっ。

帰りのSHRの前"風邪かぁ”ゆっくり寝て早く良くなってね。おだいじにo(^-^)o"
ってユニ君に送った。『送っちゃったー』って座りこんだら、アネゴが『そんなに緊張
せんでもー笑 明日来てくれるといいね』って言ってくれた。来てくれるといいなぁ。

5月29日(水)

 

大会に行ったから、私の気持ち、きっと確信したよね?冗談なんかじゃなくて、軽い
気持ちじゃないこと。この気持ち、バレるのはとてもとても恥ずかしいけど、でも、
ユニ君には知っててほしい。伝わっててほしい。  ・・やっぱり恥ずかしいけど!

学校へ行くのが、何となく恥ずかしかった。ユニ君以外にも、サッカー部の人みんな
にきっとバレちゃったもん。今まで以上にユニ君を見るのが恥ずかしいよ。わー。
朝はユニ君が自転車置き場に来るのを発見したら、すぐに教室に入る。少し前だっ
たら、廊下でそのままいたけど。アネゴの席で上野ちゃんのプログラミングの教科
書を読むフリしながら、ユニ君が教室に入ってくるのを待つんだ。『ごっち!それ丸
めんといてやー笑』上野ちゃんが私に言った。気がついたら丸めてたみたい。だっ
て、ユニ君が来たんだもん。ドッキドキドキ。朝からドキドキだけ、元気してる。

体育。初めのランニングのときとか、ウメさんとアネゴがユニ君たちの後ろについて
走ろうとしたから、ダメーって小さな声で言いながら抵抗した。恥ずかしいもん!
サーブカットの練習も、スパイクの練習も、何も手につかなかった。試合中もユニ君
のいるほういるほうばかり見てしまって、前衛のときとか、私のせいで3点くらい落
とした。わーもう。失格だぁ、私。体育のあと、靴をしまいに行くときユニ君たちの
後ろを歩くことになった。えーえーえーっ!アネゴに声にならないドキドキを言った。
アネゴは笑って答えてくれた。ユニ君のリュックは、大きいんだなぁ。

移動教室のとき、階段を登っていると、ユニ君たちサッカー部3人が下りてきた。
うわ!っと思った瞬間、3人供と目が合って、どひゃーって感じで、思いっきり下を
向いたら3人が話すのを止めて、しばらくしてその中のひとりが笑い出した。どわ。
笑い声が聞こえたときは、もう遠かったけど、笑われた。泣きそうになった。
あとからあゆみちゃんに言ったら『うちらもユニが通ったら、そのあと笑い出すや
ん。それと一緒やって!』って言ってくれた。そうだったらいいのにな!…ほんと
に。

4限後の昼休み、英検受ける人たちが召集された。ウメさんとアネゴと大講義室に
入ったら、何だか気になる後ろ姿の人がいた。わ、わ!ユニ君だぁ〜!!!この前
希望をとったときは、ユニ君のこと気になっていなかったから知らなかったけど、
英検受けるんだなぁ。すごくすごく、嬉しかった。ユニ君と目が合いそうになった。
ユニ君に私も英検受けること気付いてほしいから、ちょっと大きな声でみんなと話し
た。ユニ君たちは大講義室から出るとき私たちのほうの出入り口を使わなかった。
ちょっとショックだったけど、きっと私はユニ君が出口の近くいたら、そのドアのほう
へは行けないなぁって思った。だから、ユニ君もそんな感じだったらいいのにって
思ってみた。勝手に、そう思ってみることにした。

英語の時間。先週の授業のとき、席替えがあった。あみだくじで私とユニ君は隣に
なった。その日は、私の聞き間違いなんじゃないかって、夢だったんじゃないかって
思ってたけど、今日、私の席の横にはユニ君のショルダーバックがあって、他の席
はみんなのリュックでいっぱいで、やっぱり私の席はここだった。夢じゃなかった。
休み時間、斜め前のしおりちゃんが『ごっちvもうチャイム鳴るけん席つかな♪』っ
て大きな声で言ったから、必死で『いーやーっ恥ずかしいけんーっ』って言ってた。
気がついたらユニ君は近くにいたから今の聞こえなかったかな?とか思ってみた。
ほんとは嫌なんかじゃないよ。嬉しくて嬉しくて、ドキドキしてるんだよ。

ユニ君が私の後ろの後ろの席のサッカー部くんと話すとき、声が真横で響いた。
こんなにハッキリとユニ君の声なんて聞いたことなかったから、ドキドキした。
授業が始まって、ユニ君は前髪とかよく触ってた。ときどき、頬杖ついてた。大きな
手とかちゃんと見なくても、教科書見てても分かるから、ほんとドキドキした。
赤いフチの踝ソックス。ピンガのキーホルダーのついた黒いペンケース。赤い消し
ゴムに青系のファイル類。ユニ君が眠そうに机に伏せてるときに、バレないように
少しだけチェックしちゃった。だって、いろんなこと知りたかったんだもん。

眠い眠い7時間目なのに、あくびひとつ出なかった。ときどき、息をするのも難しく
なった。ドキドキして、手が震えたり、嬉しくて、顔が熱くなったり。昨日、予習して
おいてよかった。ユニ君が隣の席だから、予習がんばったんだ。好きな人が隣の席
なんて中学以来かもしれない。あのときは、こんなにドキドキ、してたっけ?

家に帰ってから、返事を期待しないでメールを送ってみた。大会以来送ってなかっ
た。サッカーのこと以外だけど、いいかな?勇気を出して、勇気を出して。

"英検受けるんだね!何級受けるの?"

送っちゃった!ユニ君にメールを書いて、送信ボタンを押すときいつも、送っちゃっ
た!って叫んじゃう。それだけ、ドキドキしちゃう。
30分後 freebirdが部屋に響き渡った。思わずベットから飛び降りた。

"えっ、次オレ鳥取砂丘やけど…"

…?! 一瞬、違う人に送るメールだったのかなって思った。でも、笑えてきた。
ユニ君ってこんな人だったんだ。こんな人だったんだ!何だか可笑しかった。
もう1度聞いたら、"準2鳥取砂丘"って返ってきた。わけわかんないっ。でも、ドキ
ドキして楽しくて、もっとユニ君のことが好きになった。

結局それきりfreebirdは鳴らなかったけど満足だった。
英語の予習、しなくちゃだわ!

5月28日(火)

 

5月16日〜5月25日分のログ

5月1日〜5月15日分のログ

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