9月25日〜9月30日分のログ

『きりーつ、れーい!』
久しぶりの学校、久しぶりに聞くユニ君の号令。昨日メールしたこと思い出し て思わず顔がニヤけてしまう。あのあと一生懸命簿記の勉強したけれど、や っぱり拒否反応が出て頭が覚えようとしなかった。だけど中間よりは良い点 になるようにしようって思った。テキストを開きながらタニミカと前のドアから 教室を出る。廊下側の席のユニ君が見える。直接は恥ずかしくて見れないから 雰囲気だけを見た。必死で何かを覚えてた。1時間目、ユニ君は何のテス トかわからないけれど、お互いがんばろうね。

ボロボロの簿記のテストが終わって私は4時間目まで空き時間になったので その2時間をミカちゃんと氏家ちゃんと食堂で勉強することにした。流通経済 のことばを覚えながらみんなで色んなお話していると、ユニ君たちが食堂に 入ってきた。どわーって思った。気になって気になって、教科書も範囲外のと ころを見てた。ふとユニ君たちのほうを見ると、同じ列にユニ君がいた。テー ブルは違ったけれど、何だかとにかくもう、びっくりした。友達と話すときに何 度かチラっとユニ君のほうを見た。だけどユニ君は教科書に集中してて、き っと私のことなんて気づいてないんだろうなぁなんて思った。だけど一緒の空 間にいることができたのがとっても嬉しかった。自販機の前の円テーブルに はうめさんと山下くんがふたりで勉強してた。私はあのふたりを見るのがとっ も好きで、たぶんみんなもそうなんだけれどふたりがとっても理想。お互いが 互いのこと心から好きで、プラスになるふたり。これからも幸せでいてね。

流通経済のテストもなんとか終って教科書を置きに教室へ入るとたえちゃん いた。『ごっちー!よかったら下まで一緒に行こ!』って言われたので一緒に 帰ることにした。たえちゃんは自転車通なので自転車置き場のところに行っ て、一緒に上がった。『下で待っててくれたらいいのにー!』って言われたけ れどいつもあねごと帰るときもこうしてるからいいよって言った。『それでね、 ここだとグラウンドがよく見えるんやって。笑』って言ったら『ほんまにごっち はー!笑』って言われた。たえちゃんにもとってもとっても好きな人がいて、 『あたしの想いとどっちが強いかなぁ?』って言われたので、『同じぐらい!』 って言ったらカナリやねぇって笑われた。たえちゃんは去年の今ごろ、まだユ ニ君じゃない人を好きだったころから恋愛話をよくしてて、とっても気が合う。

たえちゃんの自転車カゴにカバンを入れさせてもらって、門へ向かった。その 間もずっとずっと恋のお話してて、長袖ブラウスが少し暑く感じた。ユニ君の お話をするときはどうしても顔が熱ってしまう。そしたら遠くのほうにユニ君と 仲良しさんな潤さんが自転車でこっちに向かってくるのが見えた。もしかした ら!と思ったらユニ君が自転車に乗って潤さんの後ろにいた。私が『どわー』 って下向いたらたえちゃんが『ほらっ!潤さんにバイバイ言う感じで言うで!』 って言ってくれて、もうドキドキだった。何となく目が合って、ひゃーって思っ たら体育館の2階からカッシーが潤さんとユニ君に向かって『うぃー』とか何 とか言ったから、ユニ君はカッシーのほう向いて笑ってた。カッシーのバカバ カバカっ!ユニ君の髪は陽にあたって少し赤く見えた。秋色だーなんて思っ てカッシーのほうずっと向いて通り過ぎてくユニ君を見た。通りすぎたあと、 『はぁー』って幸せいっぱいになった。何でこんなにユニ君は私をドキドキさ せるんだろう。だけど、メールはするのに学校では話せないなんてやっぱり 変だと思う。春の終わりにアドレスを聞けた。夏は写真とかプリクラとか、ほ んの少しだけがんばった。(といっても今までの全部うめさんのおかげなんだ けれど)だから、秋は話せるようになりたい。

残り1日。がんばろうね。だいすきな部活できるね。たくさん遊べるね。いっ ぱい言いたいことある。これからはメールに頼りきりにならないで、話せるよ うに努力する。"これからもどんどん話していきたいし"って私が振られたとき にメールくれた。たくさんたくさん話したいことある。知ってほしいし、もっとも っと知りたいよ。いつかこんなに好きな気持ち、言えますように。

9月24日(火) 晴れ

 

冷たい風を頬とまだ半袖の腕に感じて、水色の透き通った空を見上げて秋だ なぁって空気を吸いこんだ。去年の今ごろはまだユニ君のこと名前しか知ら なくて、違うクラスの人で、好きになるなんて全然思ってなかった。1度だけ 英語の授業で席が前後になった。英語の先生は班活動が大好きだったから よく机を合わせた。隣だった。私のひとことに1度だけ大笑いしてくれたこと があった。わ、すごい笑う人なんだって思った。でも、ただそれだけでドキド キもしなかった。今だったらきっと、恥ずかしくて話すこともできないんだろう なぁ。というかあのときの私、うらやましすぎる。

お昼を食べて、なんとなく眠くなったのだけれどこれはいけないって思って必 死で机に向かった。だけど集中力が持たなくて、思わず携帯をいじってしま った。送信トレイの中には私がユニ君に送ったメールはすべて流れてしまって いて、受信トレイには保護をかけていないユニ君からのメールは全部流れて しまっていた。きっとユニ君の携帯にも私が送ったメールは残っていないん だろうなぁと思ったら何だかどんどんユニ君に忘れられていくような気がして そんなのは嫌だって思った。これ以上ユニ君の中に好きな子ちゃんの存在が 大きくなっていくのなんて、嫌だよ。私がそれを小さくすることはできないけれ ど、私のことも小さくでいいから、忘れないでいてほしい。

久しぶりに感じるドキドキ感。テスト期間だから邪魔かもしれないと思ったけ れど、前もテスト前にメールしたし、きっと大丈夫。いつもは見ない送信プレ ビューで確認して、ふーって息をはく。たぶん、応援するって言ったときのメ ール以来だから10日ぶりくらいだと思う。今ならまだ中止できるけれど・・な んて思いながら送信ボタンを押す。画面に手紙を持った犬が回って、少しし て"送信しました"の文字。送っちゃった、ていつも思う。この感覚も久しぶ り。返信が着ますように。何度も部屋の隅に置いてあるティガーにお願いし た。絶対このティガーはユニ君にそっくりだと思う。

着信音が鳴った。だけどfreebirdじゃなかった。意味も無くその人に怒っ てしまう。開いた簿記のテキストに伏せて携帯の画面を見る。時計が変わる ところを何度も見た。さっき感じた眠気もふっとんで、CDもほとんど耳を通り 抜けていくだけで、それは何だか小学校の入学式の日に玄関のところでお父 さんとお母さんが準備できるのをピカピカの靴をはいて待ってたときの気分に 似てた。ドキドキして、だけど不安もいっぱいで。

それでも来なくて、諦めて机に向かった。だけど問題は何度読んでも頭に入 らなくてずっとずっと考えてた。考えるのは頭では簿記のつもりなんだけれど 実際考えてたのはユニ君のことばかり。携帯が、気になってしょうがなかっ た。ずっと頭でfreebirdが鳴ることを想像した。そろそろ他の着メロに変更 しようと思うけれど、ユニ君はやっぱりあの曲じゃないとって思う。それに、は じめてメールしたときからずっと変えていないから、やっぱりこのままがい い。そんな風に考えてたとき、その音がリアルになった。本物だった。それに 気付くのにかなり時間がかかってしまった。わーって携帯を握り締める。開く のが少しだけ恐かった。嬉しいのに、何となく恐かった。

テストのお話をして、どうやらユニ君は今から数学をするみたいだった。絵文 字がいっぱいあって""の絵文字も使ってくれた。絶対この絵文字もユニ君 に似ていると思う。それから、あと2日で終わるね〜なんて書いてメールを終 わらせたつもりだったのにそれにも返信をくれて、絵文字がいっぱいで、キラ キラとかもあって最後に早く部活がしたいって書いてあった。ユニ君は本当 にサッカーが好きなんだなって思う。私も早くサッカーしてるユニ君が見たい よーなんて思ったけれど、最後にお互いがんばろうねって書いて送った。もう ドキドキして、バーって洗面所まで走って顔を冷した。ほっぺが熱くて、何で 私はこんなことだけでこんなに嬉しくなるんだろって思った。幸せだった。

テスト残り2日、本当にがんばろうって思った。テスト終ったら帰りにグラウン ドでサッカーしてるユニ君を見てドキドキするんだろうなぁ。それで、きっとも っと好きになっちゃう。もう応援する気持ちも小さくなって消えてしまいそうだ よ。この前まで諦める理由をたくさん探していたけれど、今はもっとユニ君の こと知りたいって思ってる。もっと好きになりたいって、思ってる。

9月23日(月) 晴れ

 

何度も目をこすって、覚えるまで寝ないようにしようって言い聞かせて、しま いには眠気を覚ますために窓を全開にして夜のひんやりとした風を部屋に入 れることにした。それでもやっぱり結局は"5分だけ・・"なんて自分に甘えて しまったので朝までぐっすりしてしまったのだけれど。検定は、半徹夜のおか げで筆記はイイ感じになったけれど、実技のほうが思ってたよりも、うーんと 入力する文字数が多くて表も完成しないうちに提出することに。キー打ちに は自信があるほうだったけど、まだまだだなって思った。来年もあるから、そ のときに絶対合格できるようにしなくちゃだ。わーん

私の後輩の子で、夏前からラブラブのふたりがいる。穏やかでのほほんとし たふたりだけれど、駅の待合室でキスしてたり学校のベランダでラブラブして たりするところをよく見かけるので、わおーって思った。うらやましいよう。い つかユニ君と肩並べて、駅までの道のりをいっぱいいっぱいお話して帰れま すように。今月末から学校の近くに新しい駅ができる。そこの駅だったらユニ 君の帰り道だ(と思う)から、もしかしたらもしかしたら一緒に帰れるかもしれ ない。なんて思いながら新しい定期を作ってもらった。気分が全然違うなぁ。

テスト期間中だから外出をあんまりしなくなった。だからと言ってずっと勉強 しているわけでもなく、aikoのアルバムひたすら聴いていたり、小説読んだ り。前まで趣味は読書っていう人を見るとどこか暗いイメージを持っていたん だけれど(ごめんなさい)今はカッコイイって思う。電車の中でも、一見携帯 ばっかり触ってそうな女の子がカバーに包まれた文庫本読んでると、カッコ よく見えちゃう。そもそも、イチバンの理由は上野ちゃんの影響。ふとしたとき に小説読んでて、最初は意外だったんだけどそれがもうカッコよくて。上野ち ゃんは私の憧れだぁ。また上野ちゃんがバスケしてるところ観たいよー!!

受信トレイから、保存解除したユニ君からのメールがどんどん消えていって しまってる。ひとつ残らず保存したいのに。ホームステイ前はあんなに毎日 送ってたのに、最近は毎日送るどころか1週間に1度も送っていない気がす る。あのときよりも好きな自信はあるのに。何だか気持ちが落ち着いている。 私的には気持ちがカーってなって、日記の口調も転がるくらいまで嬉しいの があふれる感じになっちゃうくらいのが(?)好きだから、やっぱりやっぱり何 か行動しないとなぁって思う。・・3連休、やっぱりキライだぁ。

カーテンを閉めようと思って、びっくりした。白い、月が見えた。本当は昨日 がお月見の日だったけれど、今日の月も負けないくらいキレイでみんな見な くちゃ損だよって思った。私は視力は良いのだけれど、少し乱視がかかって いて光は放射線になって見える。いつもはそれが不便だけど、こんなときは 少しだけロマンチックな感じになるからこのままでいいなぁって思う。ねぇお 月様、昨日のお願いごと、叶えてくれますか?

9月22日(日) 曇り

 

起きるとお昼近くになっていて、家には誰もいなかった。どうやら妹の参観日みた
い。私も観に行きたかったなぁなんて思いながら検定の問題集を手に取る。あと3ヶ
月もある、1ヶ月もある・・なんて思ってたのに、気がつけば今日はもう前日だ。全く
もって自信がない。自信というか、それだけの実力がないと思う。だけど、精一杯が
んばろうと思う。途中で諦めない。やれるだけやって、ダメだったらそれをきっちり受
けとめればいいしもしかしたら合格するかもしれない。うん、がんばろう。私は最近
何かに挑戦するのが好きだ。小さなことで言えば、今回のような検定、それから冷
蔵庫ひっくり返して自分なりの料理をしたり。大きなこと・・は、進路を少しだけ変え
てみようと思う。私はずっとずっとグラフィック関係の仕事に就きたいと思っていた
ので専門学校志望をしていてたのだけれど、やっぱり最近は大学に興味が向いて
きた。オンラインの知り合いにもたくさん大学生の人がいて、お話を聞いているうち
にやっぱり私も、と思うようになった。それには今の学力じゃ全然だめなので、これ
からたくさんがんばらなくちゃいけない。ひとつの大きな目標を持った。だから、私
は少し時間をかけてそれに挑戦したいと思う。それでもやっぱり専門学校に進路を
戻すかもしれないけれど、だからといって怠けないで、いつも本気でがんばりたいな
ぁと思う。なんて少し前向きになってみたりなんかして。

父と妹がボクシングマシーン?パンチするやつを買ってきた。かなり本格的で私も
してみたのだけれどすぐに手が赤くなってしまって痛かったので断念した。私の父
はもう50に近いのだけれど、毎朝トレーニングやランニングを欠かしていないので
結構筋肉もあって、健康的。おまけに同窓会の後に女の人から7通近くもお手紙を
送られてきちゃったほどなかなかの人(どんなだ。)なので、ほんの少しだけ自慢の
お父さん。お母さんはエアロビクスに通っていて(一体うちの家族って。)スタイルも
なかなかで、細くて私の憧れ。妹はいつも走りまわってて、お父さん曰く『こいつは
バスケの才能がある』らしいので、何だかすごいなぁと思う。それに比べて私は得
意なスポーツと言っても自慢できるものはないし、体動かすのは好きだけれど最近
は何だか怠けているなぁと思った。このほっぺを何とかしなくちゃだわと思ってその
ボクシングマシーンに向かってパンチを続けていたら『これをキライな人って思って
強くパンチするんだよ』と妹。キライな人・・と言われて思い浮かぶ人がいなかった。
『えー、じゃぁ誰にしようかなぁ』と言っていたら『"みよしくん"は?』と言われたので
それをギューってしたら『すると思った。笑』って言われた。わー。

3連休の1日目なのに、ずっとずっとユニ君に会っていないような気がする。ホーム
ステイのときに一緒に撮った写真を眺めて、打ち上げのときに一緒に撮ったプリク
ラを見て、ただ、あー好きだなぁって思う。写真じゃなくて、プリクラじゃなくて、本物
のユニ君がやっぱりいいなぁ。だけど、こんな風にユニ君も好きな子ちゃんを想って
るのかなぁと思うと、何だか自分でいうのも何だけれど切なくなってしまう。私が強く
想えば想うほど、ユニ君の気持ちも強くなっている気がする。私がユニ君を好きなよ
うに、ユニ君はこんなに強くあの子のことを想わないで。

片想いは進み出したら止まらないってこと、誰にも止められないってこと、私がイチ
バン知ってる。誰にも止められないってこと。

今日はお月見の日。七夕じゃないけれど、お正月でもないけれど、お願いごとをし
たくなってしまう。お月様、私、ユニ君に振りかえってもらいたいんだ。だけど、もう
夜遅かったからお月様は顔を見せない。自分でがんばりなさい、ってことなのかな。

9月21日(土) 晴れ

 

大の苦手の漢文をとにかくがんばろうと思って昨日の勉強時間はひたすら漢文に向
かった。本文を写して何度も書き下し文にして読んで、何度も訳した。古典の助詞
の勉強が全然できていない状態でテストを受けることになったのだけれど、その漢
文のほうはほとんど解答欄を埋めることができた。こんなの初めてで、私だってが
んばったらできるんだって思った。だから、ユニ君への恋も諦めないでもう少しがん
ばりたいなぁとやっぱり思う。今日は同じ科目がなかったので朝のSHRのときしか
同じ場所にいられなかったのだけれど、チャイムが鳴る直前に大きな体して廊下を
走ってくるユニ君を見れたから、今日もハッピーだよ。いつもニカーってして、愛嬌
があるというのか何なのかユニ君のイメージは"かわいい"。ユニ君が帰るとき、私
の教室の前を通った。(私は3時間目まであって、ユニ君は2時間で終わり)教室の
中を一瞬見て、カーって笑顔になってた。私ここにいるんだよ。気付いたかなぁ。あ
の大きな大きな笑顔の素になれたらいいのに。そう思う。覚えきれていない生物の
教科書を眺めながらユニ君と色違いのシャーペンの感触を確かめる。結局監督の
先生が来るまで頭はユニ君のことでいっぱいで、覚えきることができずにテストを受けた。


生物のテスト 時間が余ったのでお絵描き
 
虹がだいすきなのです

朝お母さんに送ってもらったので、駅から家まで歩くことになった。私にとってはか
なりの距離なのだけれど最近ほっぺのお肉が気になるところなのでがんばることに
した。毎朝すごい勢いで自転車で通りすぎる道。見過ごしていたものがたくさんある
と思った。少し違う方向を向いたカーブミラー、腰を低く曲げて用水路の泥を始末し
ているおじいさん、こんなところに工事現場なんてあったんだ。お昼過ぎの朝とは違
う少し暑く感じる陽を左腕に感じながら、ゆっくり歩いた。ユニ君への恋も今までか
なり急ぎ足で来ちゃったから、ゆっくりゆっくり歩くペースでがんばってみるのもいい
かもしれない。いつか辿り着けるかもしれない。ユニ君のこと、もっと知ることができ
るかもしれない。ゆっくりゆっくり歩いてたら、ユニ君も気付いてくれるかもしれない。

1年半前まで通ってた中学の前を通った。薄い黄色のカーテンが窓の奥に見えた。
今通ってる高校に中2のころからずっとずっと通いたいって思ってたなぁ。あのとき
がんばってよかった。あのとき進路変更したり、成績が下がっちゃってたら今毎日一
緒にいる友達ともユニ君にも会えなかったんだ。でも、あのとき進路変更したり成績
が急激に伸びたり下がったりしてたらまた違う出会いがあったんだなぁ。今みたく苦
しい片思いをしなくて済んだのかもしれない。だけど、苦しくても叶わなくても、私は
ユニ君に会えて、好きになれてよかったなぁって思う。自信持って、そう言えるよ。

9月20日(金) 晴れ

 

斜め後ろにいる人のことばかり気にかけて受けてた現代社会の授業ノートはどこか
集中していない様子で、だけど眠そうな様子はなくて黒板を丸写ししていた。先生
の説明なんてひとつも聞いていなかったので何が何のことかさっぱりわからないけ
れど私はそれを頭に叩き込む。何度も何度も繰り返し声に出す。隣にいたふじこが
『今あたし福祉覚えよるけん大きな声で言わんとって!!笑』とふじこもまたノートと
睨めっこをしていた。ふと河川敷の向こうを見ると大きなリュックのユニ君が姿勢を
悪くして自転車で門に向かっていた。いつもはチャイムぎりぎりにやって来るのにえ
らいなぁと思った。心の中で"おはよう"を言った。ふじこが『最近みよしくんとはどう
なん?』と言った。私は『応援するって言ったよ!これで2回目やけど。』と言った。
ふじこは『えらい!』と言ったけれど、私は『ほんまにそれでいいん?』なんてことば
を少し期待していた自分に気が付いた。本当にこれでいいんだよね。

私の席は前から2番目のいちばん窓側。ユニ君は前から2番目のいちばん廊下側。
まだ朝早い時間だったのであまりみんな登校していなくて、同じ列には他に誰もい
なくて、とっても遠いけれど隣になれた。たったそれだけのことだけど、何だか緊張
してしまって覚えたはずの単語も年代も上手く思い出すことができなかった。"隣"
の席はあっという間に終わってしまったのだけれど、少しだけ見た真剣な横顔とか
やっぱりいいなぁって思った。好きだって、思った。英語も現社のテストもイマイチ
(というか現社はかなりの大ピンチ)で何で昨日テレビなんて見ちゃったのだろうと
か後悔して2時間目のあとの休み時間に保健の勉強をしていると前の席の有ちゃ
んが振り向いて私のティガーのペンケースを触った。ティガーはユニ君にそっくりだ
と思う。『うちやっぱり諦めるんなんて無理かも。』と言うと有ちゃんは『いんじゃない
ん、全然!』と言ってペンケースの中に入ってたティガーの消しゴムを取り出して
『テストがんばれー!!』と声真似をしてみせた。私は『きゃーもう。やっぱり大好きだ
ぁ!』って言った。ねぇここから一直線上にいる少し姿勢の悪い一途な君。私はやっ
ぱり君のことが気になってしょうがないよ。

みんなが教室から出るとき、私がユニ君を目で探すみたくユニ君も誰かを目で探し
ている。私もそんな風に探されたいよ。少しでも気にかけてほしいよ。もう1度私が
好きっていったら気にかけてくれる?


保健のテストのとき時間が余ったので
問題用紙の裏にお絵描き。見直しとか
もっとしなさいって感じだけれども。

9月19日(木) 晴れ

 

リビングのテーブルでお母さんとお話しながら勉強するのが好き。集中できていな
いのかもしれないけれど夜の部屋でひとりで勉強するのはあまり好きではない。教
科書やプリントの内容を小さなノートに何回もまとめながら、おしゃべり。私はすごく
すごく寂しがり屋なんだと思う。お母さんもお父さんも妹も寝てしまって、やっぱりひ
とりになるのだけれど私はリビングでそのまま暗記を続ける。覚えたことを何度も繰
り返し声にする。だけど頭の中は違うことでいっぱいだった。何だったかは上手く説
明できないのだけれど、きっと勉強に集中していなかった。携帯を見た。この前のテ
ストのときみたく"気合入れていこう!!"なんてメール着ていないかなぁなんて着て
いないことわかってて期待する。携帯ギューってして、何だか苦しくなって目を閉じ
た。気がついたら時計は午前4時過ぎで、肩には毛布があった。

テストの出来はイマイチで、テスト中にすごく大きな足長蜂が私の横の窓に止まっ
たときくらいしか意識がハッキリしなかったくらい眠くて、何だかなぁって感じだ。地
理のテストの前の休み時間に後ろの席のしおりちゃんとヤマをはってて、『ボンヌ図
法』の覚え方でその図法の絵が本当に"ボンヌ"って感じだねって笑った。『もしこれ
がテストに出たら絶対笑うしー!!ごっちもめちゃ笑いそうや!!笑』なんて大したこと
のないお話だったんだけれど、テスト前のピリピリ感が和らいだ感じがしてとても気
持ちがよかった。結局テストにボンヌ図法は出なくて、またふたりで笑った。プログ
ラミングのテストのときはみんなのパソコンが次々にフリーズしていって(もちろん私
のも)みんな大爆笑だった。このテストだけは何だか自信たっぷりなので嬉しい。

テストが終わってから教室に戻って帰るとき、教室を出るタイミングがユニ君と同じ
で私とようこさんの後ろにユニ君がいることになった。私は気にならないようにしよ
うって思っていてなるだけいつも通りにようこさんとお話していたのだけれど、ようこ
さんが隣のクラスの友達を待つために立ち止まってから、私の行動はおかしかっ
た。『わ、わ、』とか言ってようこさんの右やら左をウロウロ。これじゃぁ意識している
のバレバレだぁ。ユニ君が通りすぎてから、後ろの髪を触った。後ろ姿、変じゃなか
ったかな。やっぱり私は気にしていて、好きなんだって思った。だけど、きっと私は
ユニ君の前だと本当の私を出せないと思う。だから、諦めようと思う。・・なんて諦め
る理由をたくさん探している私。でも後ろ姿を目で追いながら、やっぱりやっぱり好
きなんだって思った。諦める理由は見つければたくさんたくさんあるけれど、好きっ
て気持ちがなかなか小さくなってくれないよ。

9月18日(水) 晴れ

 

"順調かな"

ユニ君はそう答えた。私は"がんばってね"と最後に書いた。ユニ君が順調なのは、
私ががんばってねと言ったのは、ユニ君の恋のこと。返信はなかった。これでいい
んだと思った。振られたときもこんなメールのやりとりをしたけれど、あのときとは少
し違う思いでメールをした。本当は本当はうまくなんていってほしくないよ。ユニ君
があの子の隣で幸せそうにしているところなんて、見たくないよ。だけど邪魔できる
ほど私は強くないから今はユニ君の恋を見守ろうと思うよ。心からそう思えるように
なれればいいなぁって、思っているよ。

見ていると、気になっているとまた好きになっちゃうから見ないようにしよう、気にな
らないようにしようって思った。1時間目の体育。大きなネットの向こうのコートにい
る背の高くて髪が少しだけ茶色で得点が入って飛びあがって喜んでいる人が、ユニ
君。気がついたら目が探しているよ。見つけるのがとっても早くなったよ。今はバレ
ーの時間なのに届くか届かないかギリギリのところに来たボールに手よりも足のが
先に出ようとしてた。ユニ君らしくて、思わず笑ってしまった。気にならないなんて無
理っこだよ。だって好きだもん。見たいよ、気になっちゃうよ。

だけど、今はユニ君の恋を見守ろうと思っているから好きってことは今までみたくバ
レバレじゃいけないなぁって思う。またユニ君に小さな片想いをはじめようと思う。

9月17日(火)

 

携帯をベッドに投げた。あんなこと送りたかったんじゃない。本当の気持ちだけれ
ど、きっと聞いてはいけないこと。わかっていたのに、送信ボタンを押してた。どん
な返信を私は待っていたのかな。あれを見てユニ君はどう思ったかな。私はいった
いどうしたいんだろう。自己満足のメール。ユニ君の気持ち、ひとつも考えていない
メール。こんなに後悔したこと、きっと、はじめて。

私がまだユニ君のことを気になっていること、好きなことをユニ君は十分すぎるほど
知っていると思う。そして私はユニ君に大好きな人がいることを、十分すぎるほどわ
かっている。ユニ君は毎日のように友達とあの子のお話をしていて、そして私の名
前はそのお話の中に出てこないこともわかっている。私がユニ君のことを好きじゃ
なくなればこんなに悩まなくても大丈夫なのに、振られてからだいぶ経つのに正直
本当に気になっている。心のどこかで"もしかしたら"って少しの可能性を信じてる。

総体のとき、体育祭のとき、ホームステイのとき、着ていた半袖はもう涼しくなった
からこれから来年まで着る機会はなくなりそうだよ。秋の風はすーってどこか冷たく
て寂しく感じるよ。ねぇやっぱり1番にユニ君の笑顔が浮かんでくるよ。どうやったら
諦められるのかな。もう、優しくしないでほしい。プリクラにそんな笑顔で写らないで
よ。私の気持ち知ってるのに、断ってよ。嬉しくて、もっと好きになっちゃうこと知っ
てるよね。もっと、好きになっちゃうよ。

あのこと、聞いてごめんね。だけど答えてくれてありがとう。最後に送ったこと、ほん
とうだよ。私に恋の相談してよ。そうでもないと私、これからもきっと好きでいると思
う。ユニ君の好きな子はあの子なんだってこと、もっとユニ君から私に言ってよ。私
に諦めさせてください。自分勝手なメールだけれど、本当の気持ちです。

9月15日(日)

 

夏休み前から計画、準備してきた文化祭がこの前無事終了して、昨日は友達7人で
焼肉を食べに行って、今日はクラスみんなでガストに集まって打ち上げをすること
になっていた。昨日の夜結構遅くまで騒いでいて、帰ってお父さんに怒られたり勉
強や進路のことでケンカして大泣きしたので朝(お昼近かったかもしれない)起きる
と目が最高に腫れていてまた泣きそうになった。遅い朝食をとって、なんとなく美
容院に行こうと思った。重い髪を何とかしたかった。

切りたての前髪を手でときながら、ローソンの角で上野ちゃんを待つ。いつもいつ
も思うのだけれど誰かを待つのってとっても楽しいなって思う。携帯片手に、人の
流れを見る。ときどき聞こえるクラクションの音も、何となく嫌じゃない。私は私
としているのだけれど、人々にとって私は風景の一部でしかないんだと思うと不思
議な気持ちになる。しばらくして上野ちゃんの姿を発見する。わーって近づいてい
って、おはようって言う。(朝じゃないけれど) こんな瞬間が、好きだなって。

ガストの前まで行くと、うめさんを発見した。『みよっしー、今日来てるって!』
って教えてくれた。ほんの少しだけおしゃれしてきてよかったって思った。6時半
に集合だったのだけれど、私とうめさんたちはみんなより一足早く来てプリクラ撮
ろうってことになっていた。そんなとき、上野ちゃんが徐行液がほしいと言い出し
たのでコープに入ることにした。そしたらそしたら中に長尾くんとかがいて、雑誌
のところにはユニ君もいて、わーって感じだった。ユニ君の私服だ。うひゃー。お
店のところでぐるぐるしているときに、うめさんが何か話しかけようなって言って
くれた。私は恥ずかしいからいいーって言っていたのだけど、『じゃぁ一緒にプリ
クラ撮ろうでー!!』という話になった。そんなの断られたらショックだし、バレバ
レだし・・なんてぐるぐる考えていると『もうすぐあの子たちも来るやろ。その前
のほうが気まずくないでしょ』っていううめさんのひとことでがんばろうと思っ
た。好きな子ちゃんが来ちゃったら、来ちゃったら、こんなところ見られたくない
もん。

決心しても、自分から誘う勇気がなかなかでないでいると、うめさんが私をひっぱ
って『なぁなぁー、一緒にプリクラ撮らんの〜?』ってユニ君たちに話しかけてい
た。私はきっと顔が真っ赤で、今いったい何が行われようとしているのかわからな
かった。ユニ君たちは何だかあっさりOKしてくれて、わわわーって感じだった。
私はずっとうめさんのカバンの端っこを持ってうめさんについて行った。ゲームセ
ンターの前まで行くとたくさん人がいて、同じクラスの人もたくさんいて恥ずかし
かった。その中に、ユニ君の好きな子ちゃんを好きって言っている男子もいたから
私なんかといてもいいのかなって思ったけれどユニ君たちはついてきてくれた。長
尾くんとかは私の気持ち知っているから、何だかニヤニヤしていた。うひゃー、恥
ずかしいよう。プリクラ機の前で、こっちこっちって手招きするときとかドッキド
キした。上野ちゃんはあとから来たあねごとふたりで別の場所へ行って、うめさん
もそれについて行こうとしたから必死で止めた。お金を入れようとしたとき『あ、
俺らも払う!』って払ってくれた。何気に私の後ろがユニ君でハッピーだった。何
回目かのシャッターのときうめさんと原田君がニタニタして外に出ようとしたから
私はうめさんの手を引っ張って『やー!』って止めて、ユニ君も『はらだぁー』っ
て止めてた。笑った。めちゃ恥ずかしかったけど、何だか似てるって思った。らく
がきのときうめさんがユニ君に『ほら、何か書いてーや♪』って言ったらユニ君は
『や、もう書いて下さい!なっ!』って笑ってた。そのあとカーテンの後ろに回っ
て『俺こんなんはじめてなんやけど』って感動してた。子犬みたいだった。ひゃ
ー!

ユニ君はとびっきりの笑顔で写ってて、それがとってもとってもカッコよくて(冗
談抜きでカッコイイ。)分けるときにハサミ持つ手も震えちゃってどうしようかと
思った。うめさんが『これ持っていくのくらい自分でしなさいっ』って言ったから
ドキドキしながらユニ君と原田君にできあがったプリクラを持って行くことにし
た。他のゲームをしていたふたりのところへパタパタと走っていって『ありがと
う!』って渡したら『あ、ありがとう!』って笑ってくれて何だかめちゃくちゃド
キドキしたからすぐにダーって走ってうめさんたちのところに戻った。そしたら上
野ちゃんとあねごが『長尾くんがな、"娘を見送る父親"って感じのやさしい笑顔で
ごっちを見守ってたで!』って言っててめちゃ笑った。長尾くんの周りにはたくさ
んうちのクラスの男子がいてもうバレちゃったなぁって感じだった。ユニ君、一緒
に撮ってくれてありがとう。すごーく嬉しかったよ。大切にします。

そのあとかなりクラスのみんなが集まったのでガストに入ることにした。席を決め
るときのゴタゴタとかみんなの態度とかに何だかイライラしてしまって、一緒にい
た子たちはみんなすぐに帰ろうねってことになった。ぐっさんのカンパイの合図で
カンパイをした。文化祭お疲れさまでした、みんな。8時過ぎになって、本当はま
だ全然平気なのだけれど帰ることにした。だけど、このことを後悔することになる
とは思ってなかった。

そのあと帰った子も何人もいたのだけれど、残っていた人は残っていたみたいで、
ユニ君も帰らなかったみたい。それで、他のクラスの子とプリクラ撮ったみたい。
私だけが特別なわけないって分かってるけれど、ほんの少しだけ、かなりくやしか
った。深い意味はないのかもしれないけれど、私にとってはとっても勇気を出した
ことで、私にとってプリクラを撮ることって少しだけ特別なことだから、本当にそ
れを聞いたときは変な気分だった。ユニ君にとっては、どんなことなのかな。

でもでも、いろいろ考えてやっぱり嬉しいなぁって。素直に喜ぶことにします。
あとね、あとね、うめさんが『あのときみよっしー、めちゃ照れてたで!』って言
ってくれた。この前まで『諦めろ』って言ってた男子の友達も『諦めなくてええん
ちゃうん』って言ってくれた。もうちょこっとだけがんばっちゃいます。

9月10日(火)

9月25日〜9月30日分のログ

 

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