11月26日〜11月29日分のログ

朝のSHRのときに、先生が昨日のコンクールのことについて話してくれた。 しおりちゃんがアナウンス部門2位で、私が朗読部門3位だったこと。みんな 拍手してくれて、何だか嬉しかった。SHRが終わったあと、上野ちゃんが『ご っちにもこんな才能があったんやなぁ』って言ってくれた。うめさんはめっち ゃ笑顔でおめでとうって言いながら『みよっしも拍手しよったよ!』って教えて くれた。わぁわぁほんと?何だか、やっぱり嬉しかった。

日記を書いていない間、私の恋はひとつも進んでいないどころか後ずさりし ている。ユニ君はやっぱりすきな子ちゃんに一直線で、その気持ちがいっそ う強くなっている気がする。直接話しているところを見たわけではないのだけ れど、できるだけ近くにいたいって思っていることくらい伝わってくる。『みよ しくん、髪切ってカッコよくなったん違う?』ってうめさんが言った。ほんとに 最近ユニ君はどんどんカッコよくなってると思う。だけど、それもすきな子が いるからなのかなぁと思うと、それ以上カッコよくならないでって思う。

昨日、長尾君がメールで携帯をカメラ付きのに変えたって教えてくれたので (というか、isにしたって聞いたので)見せてねって言っておいたのを、生物 の時間見せてもらった。カメラでいろいろ撮っていたので、私もピースをし た。植村くんの影になっててあんまり写っていなかったけれど、何だかすごく 画質がキレイで私も早くカメラ付きにしたいなぁと思った。お昼が終わったあ との休み時間、長尾君が私を呼んだ。何だろって思って近づくと、携帯を見 せてくれた。『見てん、コレ。めちゃええ感じに撮れてるやろ。笑』ユニ君の、 ドアップが写ってた。うはぁーって感じだった。欲しいって思った。笑った。だ けど周りに人がたくさんいて、欲しいとか言っちゃったらバレちゃうとか思って 『もうー!!』って長尾君に怒った。でもやっぱり何だか可笑しくて笑った。

休み時間も、放課後も、前と何にも変わっていない。だけど、どんどん時間 は過ぎてく。『もう、あれから1週間だよ』ってうめさん。誕生日から、1週間 が経ったんだ。『あと1ヶ月でクリスマスだよ』って付け足すうめさん。わぁ。 何にも進展がなくて、でも気持ちが小さくなることもないのんびりした恋。私 はいったいどうしたいのかな。このままじゃダメって分かっているんなら、や っぱりもう少しがんばらなくちゃって思う。『次はカラオケだよ、んで焼肉!』 大張切りのうめさん。うん、カラオケに焼肉、絶対ユニ君と行きたいよ。

『もうちょっとゆっくり帰る?笑』と原田君。『バーカ』と、ユニ君。そう言って ふたりは私たちを追い抜いて、すきな子ちゃんのいるグループのほうへ歩い ていった。がんばれるかなぁ、私。がんばれるのかな。がんばりたいのに。

11月25日(月) 雨

おめでとうくらい言いまくってやったらええやん!!て、長尾くんが言ってくれ た。ごっちの精一杯の勇気がみたい!ってあゆみちゃんが言ってくれた。う まくいってーってアネゴが言ってくれた。ドキドキしてなかなか眠れなかっ た。気がついたら2時半を過ぎていて、最後にユニ君がすきって言ってた曲 を聞いて寝た。でも6時にはスッキリ目が覚めた。あんまり寝れなかったけれ ど、不思議と眠くなかった。ただ、ドキドキしてた。

電車の中、ふじこが何かお話していても上の空だった。早く学校へ行きたい 気持ちと、まだもう少し心の準備がしたいって思う気持ちがぐるぐるしてた。 途中、パン屋さんに寄ったりしていつもより少しだけ学校に着くのが遅くなっ た。学校に着いてもやっぱりぽーっとした。靴箱から階段に向かっているの がユニ君だって気付くのも、少し時間がかかった。ユニ君、学校来てた。休 んだりしてなくてよかったって、ユニ君はめったに学校を休まないけれど、そ う思った。走って追いかけておめでとう、なんて言っちゃいたい気分だったけ れど、勇気が出なかった。ただ、後ろ姿を見ることしかできなかった。

教室に入ると、私の机の周りにみんな集まってニタニタしてた。有ちゃんやア ネゴが『どうするん?どうするん?』って何だか楽しそうだった。うめさんは 『おいっ!そこのボンボン!笑(私のマフラーの先に、大きなボンボンが付い てるの。)』って言ってきた。私はひゃーひゃー言うしかできなかった。違うク ラスなのに、あゆみちゃんも来てくれた。『今渡そうよっ、ほら人少ないし!!』 ってみんな言ってくれたのだけれど、『そんなん心の準備がぁぁ』って私は机 のところにしゃがみ込んだ。『すきな子ちゃんの前では渡せないでしょ?ほ ら、今だったらおらんしっ!!』ってうめさんが言った。そうだって思った。私が 小さな声で行く!って言って、カバンの中から緑のリボンのついたプレゼント を出した。みんなが『わぁーー!!』って言った。うめさんが一緒についてきてく れて、少し離れたユニ君の机のところに歩いた。

目が合った。でもすぐにそらされた。ユニ君は長尾くんや潤さんとお話してい た。左手に持ったプレゼントが震えて落ちそうだった。ユニ君の机の目の前 まで行ったとき、長尾くんがペコって場所を退いてくれた。何だか一気に恥ず かしくなってきて、意味もなく長尾くんを『わぁぁぁ』って叩いてしまった。目の 前まで来てるのに、ユニ君は潤さんとまだお話してた。こっち向いてくれよう としなかった。うめさんが『いっけぇ!ごっち!!』って言ってくれた。おし、って 思った。『み、みみ みよしくん!』って言った。うひゃーって感じだった。潤さ んがニタってこっちを見た。『おたんじょうび、おめでとぅ・・(だんだん小声)』 って言いながら、そうだプレゼントって思った。渡そう!って思ったら何だか ほんとに手が震えてて、わぁって思って、ユニ君の机にプレゼントをポイって してしまった。わ、投げちゃった!!って思った。何だかめちゃ緊張で、うめさ んの陰に隠れたりしてたら、何だかめちゃ笑顔で『ありがとー!』って言って くれた。それがすっごく嬉しくて、ひゃー!とかって言ってたら潤さんとかうめ さんとか大笑いしてて、ユニ君も何だか笑顔で、嬉しかった。他のみんなも 『え、今日誕生日なん??おめでとー!』ってたくさん近づいてきてて、恥ず かしかった。それで、バーって走って自分の席のところに着いたら、みんなが ギューってしてくれて、よかったやん渡せて!!って言ってくれた。頬がぽかぽ かしてきて、机に伏せた。みんなたくさん嬉しいことば言ってくれて、本当に 嬉しかった。そのあとすぐにユニ君の号令があった。『きりーっつ、れぇーい』 いつもよりも何だか大きく聞こえた気がして、ひとりでわぁわぁって思ってた らアネゴもそう思ってたみたいで、『今日みよしくん、なんかノリノリやね!ご っちのプレゼントのおかげやわ』って言ってくれた。ほんとだったらいいのに って思った。朝からいーっぱいドキドキした。渡せて、よかった。

休み時間とか、廊下をすれ違ったりするのがすごく照れくさかった。いつも何 となく目をそらしちゃうのだけど、今日はそらすどころか見れなかった。アピ ールしなくちゃって思うけれど、なかなか。タニミカと『いつもうちら寒い寒い 言いよるけん、今日は寒いって言葉使ったらいかんこと!』なんて決まりを作 ってしまって、ふたりで『暑い暑い』言ってた。でも、ユニ君の近くにいたとき 『今日はほんまに暑いなぁごっち!』ってタニミカが言って、ほんとに何だか ポカポカして笑った。お昼休みも、菊さんと検定の練習をしていたのだけれど 私はずっと今日の朝のことを菊さんにお話してた。菊さんはずっとずっと聞い てくれて、何だか嬉しかった。話ながら、たったこれだけのことなのにすごく 嬉しいんだなって思った。すごくユニ君のことすきなんだなって、思った。

放課後、ゆかりっちが『あの人今日誕生日だったん?』って聞いてきた。普 段、ゆかりっちと私はよくお話するけれど恋のお話はあんまりしたことがなか った。でも、『朝なぁ、ごっちががんばりよるわぁってずっと見てたんよ。笑  そのとき聴いてた曲がまたごっちにピッタリでさぁ!笑』なんて話してくれた。 何だかそれがすっごく嬉しくて、きっと明日からお弁当の時間、私はゆかりっ ちにユニ君のことたくさんお話するだろうなぁと思った。覚悟しててね、ゆかり っち!

帰り道、自転車で一本道を走る。ほっぺも隠れるようにマフラーをぐるぐるし て急いで帰る。頭の中は、今日の朝のことでいっぱいいっぱいで、自然と口 元がニヤケてしまう。早くお母さんにも報告したくてしょうがなかった。視力が 悪くてぼやけて見える街灯も、何だかロマンチックに見えちゃったりなんかし て今日の私、変だって思った。ドキドキ、してる。

あんまり寝ていなかったせいか、9時ころには眠くなってしまった。リビング のホットカーペットに横になりながらうたた寝をしていた。誰かが肩をたたい た。『おねーちゃん、携帯鳴ってたよ。たぶんfreebirdだったよ、音。』と 妹。目が覚めた。freebird?わぁわぁって思って、急いで受信ボックスを 見る。そしたら間違いなくユニ君からで、"プレゼントありがとね"ってメール が来ていた。ふきゃーって感じだった。ユニ君から、メールを送ってくれた。 すっごく嬉しかった。ギューってなった。妹に、ギューってした。嬉しくて嬉し くて、改めて、勇気出してよかったって思った。日曜日、一生懸命プレゼント 選んでよかったって思った。恥ずかしかったけれど、朝勇気を出してよかった って思った。ありがとう、ユニ君。ほんとうにお誕生日おめでとう!

誕生日までがんばって、諦める。そんな風に思いながらこの何日かがんばっ てた。だけど、もっともっともっと、すきになっちゃった気がする。もっともっと がんばりたいって思ってる。これで、いいのかなぁ。でも、おめでとうって言え たこととか、プレゼント受け取ってもらえたこと、本当に嬉しいよ。この気持 ち、大切に大切にしたいって、思ってる。もう少しだけ、すきでいたいです。

11月19日(火) 晴れ  Happy birthday ユニ君!

風の音がして、道路では葉っぱが踊ってる。手袋ナシじゃ手がかじかんでし まいそう。こんなときに、15分も自転車になんて乗りたくない。家でのんびり していたい。だけど私は手の先の感覚が鈍くなっても、鼻の頭が真っ赤にな っても気にならなかった。土日、私は連続で大きなデパートに来ていた。

1階と2階を何度も行ったり来たり。同じお店に何度も入った。気がつけば自 分の欲しいものばかり見ていたのだけれど。ひとつのものを手に取り、ひとつ のことを考える。ユニ君、喜んでくれるかなぁ。そればっかり考えて、頭がぼ ーっとした。気がついたら2時間くらい経っていて、ひとりじゃ考えられないや って思って、うめさんや他の高校の男子にメールで相談した。(同じ高校の男 子にはユニ君に誕生日あげるって知られたくない)みんな真剣に考えてくれ て、何だか嬉しかった。

身近なもので、ずっと残らないもの。(ずっと残るものは重すぎるみたい。) 考えて考えて、何だかちょっとユニ君に似てる小さなマスコットのついたスト ラップにした。みんな、いいんじゃないかな?って言ってくれた。いろんな種 類があって、すごく迷ったけれどユニ君色のにした。受け取ってもらえるかは 分からないけれど、"ユニ君に受け取ってもらえますように"って思いながら 1度だけギュってした。ユニ君の手に、渡ってね。

包装してもらうとき、『ピンクと緑のリボンがあるんだけど、どっちがいいか な?』って聞かれて『・・緑でお願いします。』って言うのがすごく照れた。い つもここのお店で何かを包装してもらうときはピンクだったもん。緑!緑!あ と5回くらい言いたかった。緑でお願いします、お兄さん!

デパートを出るとき、外はすっかり真っ暗になっていた。来たときよりもひん やりしていたけれど、何だかぽかぽかしてた。渡せるかどうかわからないし、 受け取ってもらえないかもしれないけれど、本当にがんばりたい。家までの 道のり、緑のリボンの付いたユニ君へのプレゼントをバックに入れて少しスピ ードを出して帰った。頬に感じる風は冷たかったけれど、目がさえて少し気持ちよく感じた。

11月17日(日) 晴れ

"がんばれ!!"

そのことばをもらえてとっても嬉しかったから、がんばろうと思った。大きな 声出した。黒板に字を書くのだって、ほんの少し練習した。だけど、何だか空 回りしてた。先週あんなに盛り上がったのに。何だか教室の雰囲気は重たく て泣きそうになった。ユニ君はユニ君で何か悩んでいて、前を1度も向いて はくれなかった。つまらない内容かもしれないけれど、前みたくみんなに楽し んでほしかった。だけどだんだん雰囲気も和んできて、最後にはみんな大き な拍手をくれた。だけど、やっぱりユニ君は最後まで前を向いてくれなかっ た。開放感はあったけれど、モヤモヤしてた。おつかれぇってうめさんと喜び 合ったときも、ほんの少しだけ涙が出そうだった。なんか、つらかった。

系列、が違うから同じ授業がほとんどない。系列、が違うから来年は絶対同 じクラスになれない。だからこそ、今がんばらないといけないと思うのだけれ ど、なかなか前に踏み出せない。休み時間、同じ教室の中にいても私はその 場にいたくなくて本なんて読まないのに図書室へ行ったり、廊下に出たり。そ うじの時間もみんなが背中を押してくれるのに、私は立ち止まる。アピールし なきゃってみんな言うし、私もそう思う。アピールしなくちゃユニ君の中で、好 きな子ちゃんの存在を越えることなんてできない。ユニ君の中で、以前よりも 私の存在は小さく小さくなってると思う。きっと、ただのクラスメートになって いると思う。私はそれを認めたくないのに、認めてる。

初めてメールをした日に聞いたユニ君の誕生日。ずっとずっとがんばろうっ て思っていた誕生日を目の前にして、私はユニ君のことを諦めようと思った。

そのことを誰にも誰にも言えなくて、みんなの前では『がんばるよ〜!!』って 言っていたけれど、帰りの電車の中、あゆみちゃんの横で涙が出た。人がい るから、と思ったけれど止まらなかった。だけど、同時にやっぱりこんなにす きなんだと実感した。何もできない私だけど、臆病で勇気のない私だけど、誰 よりもユニ君のことをすきな自信はある。ここで諦めたら、今までドキドキし てきた私がもったいない。あと1週間もないけれど、ユニ君の誕生日までは がんばろうと思う。

11月15日(金) くもり

隣のクラスにいたうめさんと教室に戻ると、後ろのドアの近くにユニ君と潤さ んがいた。それに気付いたうめさんが『わぁぉ〜!!』って言って、ふたりでき ゃぁきゃぁ言ってたらユニ君が、ぱってこっちを見た。も1度うめさんが『わ ぉ!』って言って、私は恥ずかしくてしょうがなくなって、うめさんを押しなが ら席まで行った。『ごっち、大丈夫になったん?』みんな聞いてくれた。昨日、 私は1日学校を休んだ。大丈夫だよって言おうとしたらうめさんが『また熱が 上がっちゃったんよー笑』と、うめさん。え?と思ったらみんなのほうが早くに 理解してたみたいで大笑いしてた。『例のカレのせいで、ね。笑』うめさんが 言った。もう大笑いだった。ほんとに、また熱が上がっちゃいそうだった。

最近ユニ君はよく頬杖をついて悩んでる。それから、一生懸命レポートか何 かの宿題をしてる。がんばり屋さんだなぁと思うけれど、悩んでいることは違 うと私は思う。好きな子ちゃんのこと、考えてるんだよね。その、一生懸命に しているレポートや宿題も、好きな子ちゃんと同じ授業だからなのかなぁ。

休み時間。最近、ユニ君は後ろの黒板のところによく座っている。それで、好 きな子ちゃんが書いた落書きを見て笑ってる。今日はその横にさりげなく何 か落書きしてた。周りにたくさん友達くんもいて、本当にさりげなかったのだ けれど、きっと何かを思ったと思う。そんな気持ちが伝わってきて、何だか不 思議な気分だった。分かりたくないのに、分かってしまう。上手くことばに表 せないけれど。

広告制作のあと、うじけちゃんとまゆちゃんとトイレに行った。鏡を見て、私の 目の上に変なふくらみがあったから、蚊にさされたのかなぁとかってみんなで 騒いだ。その目を押さえながら、トイレから出ると目の前を潤さんが通った。 その瞬間、頭の中で"潤さんがいるってことは近くにユニ君がいる!"って思 ったら腰が抜けかけて、うわぁって言いながら後ろにすごい速さで戻って壁に ぶつかってしまった。うじけちゃんたちに『なにぃ?!どしたん?!』って言わ れたから『びっくりしたん。笑』って言うと、目の前をユニ君が通っていった。 そのあとユニ君たちの後ろを歩きながら、みんなで私の目の上が蚊にさされ たっていうお話をした。もしかしたら蚊じゃないかもしれないのに!聞こえち ゃってたら恥ずかしいよーって思いながら、聞こえててほしいって思った。

ユニ君の誕生日がもうすぐだって思ってから、何もないまま毎日がすごいス ピードで過ぎていっているような気がする。ユニ君の誕生日まで、あと少し。

11月14日(木) くもり

静かな校舎、足音だけが響く。誰もいなくて、涼しい朝がとても冷たく感じた。 時計は8時2分を指してた。少し急いだ。ひとつだけ電気の付いている教室。 教室に入ろうとすると、教室の端っこの席でうめさんがこっちを見てニコって してた。『おはよ。絶対ごっちやと思た。笑 足音で分かるわー、てか走りす ぎ!』って言われた。そのあとうめさんは『犬みたいやな。笑』って言った。笑 った。髪型が今日は久しぶりにふたつなのと、走り方がそうだったみたい。9 月ころから県外にも研修へ行ったり、放課後真っ暗になるまで毎日残った り、体育館で全校生徒に発表をしたり、そして今日みたく朝早くから集まった り。『簡単な仕事だから』と聞いて引き受けたのだけれど、正直全然簡単では なかった。今日と来週のLHRでは、その総まとめをする。私とうめさんが司 会をするのだ。私がここまでこれたのも、うめさんがとってもしっかりしてて すごく優しいからだと思う。

1時間目は大講義室に入ってビデオを見た。出席番号順に座る。ユニ君とは 全然離れているのだけれど、近くがいいとは強く思わなかった。ビデオ(とい っても映画とかじゃないです。スポーツのです。)の感想を前の教卓に提出し た人から退出することになった。私は前のほうにいたのだけれど、列には既 にたくさんの人がいて、席も立てないでいた。やっと列の進みが速くなって、 後ろに誰も並んでいない状態になったので、私も席を立った。そしたら!横 の列から誰かが私の後ろに来て、それがユニ君だった。びっくりした。こんな ときに限って、列の流れが悪くなった気がしてひとりで焦ってた。でも、近くに いるんだって嬉しかった。ドキドキ。

わっきーの英語が始まる前の休み時間。前の席の有ちゃんとお話しながらな んとなくユニ君を見たら、ユニ君が原田君にCDを貸してた。それはそれは、 私がこの前の放送当番のとき、お昼にかけたやつだった。わぁって思った。 ユニ君もその曲すきなのかなぁ。私は大すきなのだけれど。同じCD持ってる って何だか不思議だった。だけど趣味が似てるってことだよね?思い出の曲 (勝手に)がもうひとつ増えた。やったぁやったぁ。そのあとの英語の時間、ユ ニ君はたくさんわっきーの毒舌を浴びてた。(といってもわっきーはただ口が 悪いだけで、おもしろいの。)『なんやお前えらそにしやがって。笑 お前は社 長か!』『へ?!笑』みんな大笑いだった。私も笑った。私の席からユニ君はよ く見えるのだけれど、私が発表したとき何となくニコっとしてくれてて嬉しがっ ていたら、他の人が発表しているときも、ニコってしてた。ぶー。

はねちがフリカケを花火みたいに落としちゃったり、ふじこがお弁当箱をふっ 飛ばしたりしてすごく騒がしいお弁当の時間が終わると、いよいよLHR。み んなも机を合わせるのを手伝ってくれたり、プリントを配ってくれたりした。ド キドキした。みんなが席についた。私が黒板に書いた今日のテーマを、みん なが写す。ユニ君も見てくれてた。もっと字が上手くなったらなぁと心から思 った。顔が真っ赤になってたと思う。うめさんと、何度も緊張するねって言っ た。私が問題を言って、班ごとに答えを出してもらい、黒板に書きに来てもら う。そのあと私が答えを言って、うめさんがおもしろおかしく、かつとても分か りやすく解説をする。1問目のとき『じゃぁ正解を発表します!』って言ったら みんながバってこっちを向いたのが何だかとてもおもしろくて『正解は・…・・ あはっ』って笑ってしまったら、何だかみんなも大笑いしてくれた。そしたらそ のときにうめさんが小さな声で『みよしくんもめっちゃ笑ってくれたで!』って 教えてくれた。わぁーって思った。ドッキドキした。クイズを何問かして、最後 にうめさんが解説をしながら私が黒板にひたすら大切なところを書いた。み んながバーって写してくれて、わぁーって感じだった。絶対絶対、キレイに書 けるようにしなくちゃって思った。今日のLHRはみんなが楽しんでくれてて、 私も楽しかった。ほんとによかったと思った。授業が終わったあと、ケンちゃ んと一色先生がすごく誉めてくれた。『予想以上やった!!』嬉しかった。

そのあとの休み時間、あゆみちゃんとうめさんとアネゴと廊下でお話した。私 が『このあと3時間続けて簿記なんだよ。泣きそうやし〜!!』って言ったらそ れまでワイワイ言ってたみんなが話をやめて私を見た。私が『え?え?』って 言ってたらあゆみちゃんが私のスリッパを軽く蹴った。後ろから通りすぎてっ た人を見て、それが理解でき恥ずかしくなって、笑った。ユニ君だった。みん な分かりやすすぎだなぁと思った。というかもっと楽しいお話してればよかっ たなぁってほんとに思った。

そうじへ行く前、教室前の掲示板をうめさんとアネゴと見ていた。そしたら有 ちゃんがギューって押してきた。近くに、ユニ君がいた。今日は何だかたくさ ん近くにいれて嬉しいなぁと思った。だけど恥ずかしくなって、すぐにみんな にそうじ行こって言った。そうじ場所ではいつもユニ君の誕生日についてみん ながアドバイスをしてくれる。だけどいつも最後は『ごっち次第だよ』って結論 になる。ほんとにみんなには勇気をもらいまくりだなぁと思った。みんな、い つもありがとう。

"よかったんちゃん。クイズ形式だったし"

家に帰って、ユニ君に今日のLHRのことどうだった?って聞いたらそう言っ てくれた。研修とか居残りとか本当に大変だったけれど、すきな人にがんば っているところを見てもらえた。がんばって本当によかったと思った。ひとつ の問題はたった10分で終わっちゃうけれど、そのひとつひとつにたくさんの 時間をかけてきた。みんなが楽しんでもらえるように、理解しやすいようにっ て普通の話し言葉にするように心がけ、難しい言葉は簡単にした。今まで、 何度も嫌になったことがあった。引き受けるんじゃなかったって正直思ったこ ともあった。だけど今はすごく引き受けてよかったと思っている。来週のLHR で任務は終わってしまうけれど、最後までがんばりたいと思う。ユニ君もがん ばれって言ってくれたし。がんばろうねうめさん。

11月8日(金) 晴れ

網戸越しに。 きのうの、空。  家の前のおっきなため池に 空色が反射してた。  雲は少し急ぎ足で 南へ駆けていった。

 冬の空も けっこう好きかもしれない。  
  冬の音。冬のにおい。指先を袖に隠して、少し猫背になる。みんなが持ってき てる色とりどりの膝掛け毛布に包まりながら、今日もユニ君が来るのを心の 中で待つ。半袖ブラウスがカーディガンになっただけで、うちわが膝掛けにな っただけで、朝の過ごし方は夏と変わっていない。すき、の気持ちはずっと変 わっていないよ。『きりーつ、れーい!』その声を聞いてドキドキすることも。

窓際の端っこの席から、机に腰掛けて友達とお話をしているユニ君を見る。 決してこちらを向くことはないのだけれど、目が合わないように、見る。私が 見るユニ君はいつも横顔。心の中で、こっち向けって言ってみる。心の声が、 ユニ君だけに聞こえたらいいのに。みんなでお話してたとき、教室の前のゴミ 箱のところにユニ君がやって来た。わぁ、と思ってたら有ちゃんが私の手をパ チって軽くたたいた。それに対して私は何も言わなかったけれど、何もないフ リをしたけれど、ほんとは嬉しくてしょうがなかった。きっと有ちゃんもそのこ とは気付いてくれたと思う。些細なことでも、みんな私に教えてくれるから、 些細なことでも、すごく嬉しく感じるようになった。例えば、こんな風に近くに 来たこと、とか。

そうじへ向かう前、教室の前の掲示板をうめさんとアネゴと見ていた。そした ら潤さんと原田くんも見に来ていて、ユニ君もその後ろにいた。わぁ。変なこ としゃべらないように気をつけなくちゃだわ、なんて思ってたら後ろから有ちゃ んがくすぐってきた。『うひゃー!』ってすごい声を出してしまって、オマケに 有ちゃんのスリッパを踏んでしまってた。こんなところは、見られていません ように。やっぱり近くにいるって分かっただけで、緊張しちゃう。

そうじが終わったあと教室に上がるとき、声が少し後ろのほうでした。近くは なかったけれど、なんか嬉しかった。そのあと教室に残ってたら、ユニ君たち もずっと廊下にいた。好きな子ちゃんもまだ教室にいたから、前みたく靴箱ま で一緒に降りるのかなぁって思った。そんなとこ直接見たくない、なんて思っ てたら好きな子ちゃんたちが教室を出た。ユニ君は?って思ったけど、まだ 廊下にいて何だか少しだけ安心した。そのあと、教室には私とうめさんとアネ ゴだけになって、廊下には潤さんと原田くんとユニ君だけだった。うめさんが 『わぉ、3対3やで。スリーオンスリー?バスケしよか。勝つかも。笑』なんて 言ってた。笑った。少しして、廊下の3人組は帰った。それから、私たちしか いない教室でたくさんお話した。『こんな近くにおるのにさ、』と私の席から 『みっよしくーん☆』ってうめさんはユニ君の机に向かってバーって走った。 アネゴも走って、『わ、机ん中微妙に汚いで!笑』って言ってた。私は自分の 席から、ユニ君の座ってないユニ君の席を見た。同じ教室の中なのに、少し 遠く感じた。みんなとのやりとりがすごく楽しいのに、涙が出そうだった。

次のLHRは私とうめさんで司会進行をする。そのリハーサルを真っ暗になる までして、担任のケンちゃんと一色先生に見てもらった。まだ未完成だけれ ど、素敵なものになればいいなぁと思う。待っていてくれたアネゴと、自転車 置き場へ向かった。私は駅まで歩きだけれど、アネゴと帰るときはいつもこう してついて行く。グラウンドには、もうサッカー部の姿はなかった。マフラーと か、ぽかぽかお風呂とか、暖かいもののお話をしながら帰った。途中、部室 塔の前を通った。サッカー部のところは電気がついていた。わ、まだいるのか なぁなんてドキドキしながら歩いた。潤さんの声がした。ドアの前にいたの が、そうだったのかな。ユニ君を呼ぶ声がした。わぁーって、思った。立ち止 まって振りかえりたかったけれど、そんな勇気がなかった。

駅までの、まっすぐの道のり。歩いて帰る私の横を部活帰りの人たちがたくさ ん自転車で通り過ぎて行く。声がするたびに、自転車の気配がするたびに、 もしかしたらって思ってしまう。さりげなく、振り向く。何度も振り向いたけれ ど、違った。携帯を持つ。メールがしたいけれど、できない。指が、止まって しまう。メールが上手く打てないのは、手がかじかんでいるからなのかな。そ れとも。

何だか今日の日記は落ち込み気味。うわーん。勇気がほしい。

11月5日(火) 曇り

家の近くの少し大きなお店の入口は、赤と緑でクリスマス風に装飾されてい た。この装飾は私が中学1年のころから変わっていなくて単純なものなのだ けれど、自転車でその横を通り、もう今年もそんな季節なんだと嬉しくさせて くれる。いつのまにか息が白くなっていた。いつか読んだ本のように、この白 い息が漫画のふきだしのようになって、大すきな気持ちをユニ君に伝えてく れたらなぁと思った。冬になると何だか思考が女の子らしくなってしまう。

テレビを見たり、メッセをしたりして何となく過ごしていた夜。あゆみちゃんか らメールがあった。"... どう?ユニとはメールしてる?"(あゆみちゃんは ほんとにユニ君のことをユニって呼んでるの。)ユニ君とは大会のとき以来メ ールしていなかった。このままだったら、前みたく2週間も3週間もメールで きないままになっちゃうかもしれない。間が開けば開くほど、メールを送るの にも勇気がいる。メールがしたいって、思った。だけど何を送ろう?聞きたい ことはたくさんある。今ほしいものとか、甘いものは平気?とか。だけれどそ れはもろに誕生日のことってバレてしまう。(いつかは聞かないといけないん だけど)でも、メールがしたい。だけど何て送ろう。ぐるぐるした。考えれば考 えるほど時間は過ぎて、10時半を過ぎていた。わぁ、ユニ君が寝ちゃう。

"三好くんはいつもどんなテレビとか見るん?"

自分でも何送ってるんだろって思った。送ったときは送れたことに満足感を 感じていたのだけれど、落ちついて内容を見て、ほんの少し後悔。もし今ユ ニ君が寝てて、朝にこのメール見たらどうしよう。恥ずかしい!とかってぐる ぐる考えてたらfreebirdが鳴った。メッセしていた友達にも、来たぁぁって 知らせた。嬉しかった。ユニ君のメールは、"なに!いきなり。"で始まってい た。ちゃんと教えてくれたけれど、ほんとにイキナリ聞いたなぁって思った。 "・・なんとなく"で始めて、私もテレビのことをお話した。そのあと、タレント とかは誰が好き?って聞いた。そしたら特にいないみたいなのだけれど、タイ プを教えてくれて、どわわーって感じだった。そのあと逆に"池田さんはタレ ントでは誰が好きなん?"って聞かれた。タレントって付いてなかったら、迷 わず"三好くんです。"って送っちゃうのになぁと思った。や、そんな勇気ない けれど。加藤晴彦とか深キョンがすきなことを送ると、"ふ〜ん。深キョンは いいね"って着た。深キョンのことだけに反応してるってことは、もしかして 加藤晴彦にヤキモチやいてくれているとか!なんて都合の良いように考えて みたり。そのあと少しして、ユニ君は部活があるからもう寝るみたいだった。 (気がついたら11時半過ぎてた。ごめんなさいユニ君。)最後に、ユニ君の ほうからおやすみって言ってくれた。おやすみなさい、ユニ君。

ユニ君はね、笑顔が可愛い娘が なんだって!笑った。可愛い笑顔になれ るようにがんばらなくちゃだわ。すきなタレントのこと、私が聞きたかったの に、私のすきなタレントのことで語ってしまった。知りたかったのに!あと、い つもは言ってくれなかったり、絵文字も何もない"おやすみ。"が、パワーアッ プして"おやすみ "になってた。すごーく、嬉しかった。

もし、心の中のふきだしが白い息になって見えたとしたら、ユニ君のことでい っぱいなんだろうなぁと思う。ユニ君の白い息、メールしているときくらいは私 のことでいっぱいにならないかなぁ。今日、私のこと聞いてくれて嬉しかった。 また、知りたいって思ってくれないかなぁ。気になって、ほしい。

11月2日(土) 曇りときどき雨

いつもより少し遅く出ただけなのに、傘さし運転が大の苦手な私は、いつもよ りもひとつ遅い電車になってしまった。この電車が下りる駅に着くのは本鈴の 3分前。駅から思いっきり走れば間に合うことをキエちゃんが教えてくれたの で思いっきり走った。気がついたら傘もささずに走ってた。遅刻は絶対嫌だー って思いながら、校舎に入ってみんなの姿を見かけても走った。階段に通じ る廊下を曲がって、止まった。目の前にあのリュックがあった。ユニ君の、リ ュック。いたらいいなって思ってたけど、こんなときはおはようって言おうって 思ってたけど、走った。ユニ君の左横を通って(あたるかあたらないかくらい まで近かったんだよ)バーって走って、みかちゃんのところまで行った。後ろ から友達くんとお話しているユニ君の声がほんの少し聞こえた。遅刻しなくて 済んだし、朝からユニ君に会えて何だか嬉しかった。席についてキエちゃん に『例の電車、乗ったよ〜!』って言ったら笑われた。

1時間目はアイマスクをして視覚障害の体験学習をした。校内をまわるとき ユニ君は『うわぁ、この辺に柱なかったっけ?ぶつかりそうや!』って言って た。何だかいいなぁって思った。私はあずみちゃんとペアを組んだ。ほんとに 何もないところでも壁が襲ってきそうで恐かった。そのあと柔道場へ戻って感 想などを書くとき先生を中心に円になって座っていたのだけれど、ユニ君と 正面になることができた。何回か目が合ったかもしれない。普通のお話をし ているフリをして、いつも私たちが話しているのはユニ君のこと。ユニ君たち は、好きな子ちゃんのお話をしているかもしれないけれど。

そうじの時間。11月になったので、今日から場所が変わる。私が5月にアド レスを聞いたときと、同じ場所。私は1階の福祉教室の前のトイレ掃除で、ユ ニ君たちは福祉教室。先生には掃除をしているように見せかけて、トイレの中 では作戦会議。同じ掃除場所のうめさん、アネゴ、有ちゃん、上野ちゃんは みんな私の気持ち知ってる。『ほらぁ、前にトイレ掃除だったときにアド聞い たんでしょ?もう一周してもうたやん。その間何しよったんな。笑』『誕生日近 いんでしょ?何かせな!』『そんなコソコソ見るんやなくて、目の前にいって 堂々と見といで!"ハイ、上向いて見て〜v"とかさ。笑』みんなみんな次々 に色んなことを言ってくれた。楽しい掃除の時間のおしゃべりタイムをみんな 私のために使ってくれていいのかなぁと思ったけれど、嬉しかった。うめさん が『もう、ごっちにはアドバイスしきったけんなぁ。笑 あとはごっちががんば らないかんよ!これでがんばらんかったら海に捨てるで!笑』って言ってく れた。ほんとにがんばりたいって思った。教室に上がっていくとき、『あたしの 積極的さをごっちに分けてあげたいわ。笑 あたしは多すぎるけんの!笑』と うめさん。みんなで大笑いしたけど、ほんとにみんなみんな応援してくれてる んだって思った。ほんとにほんとに、それが嬉しかった。

そうじが終わって、部活に行く前にうめさんと廊下を歩いていたら職員室前に ユニ君がいた。わぁーって思って、うめさんの袖を引っ張ったら『何、カレが おるん?』って言って、『おし、バイバイ言うで!』ってことになった。廊下の 真ん中で立ち止まって、『こんなところいたらいかにも怪しいし』って端に寄っ た。職員室から潤さんが出てきて、ユニ君たちが近づいてきた。わぁわぁ〜っ て思った。そしたらユニ君たちと私たちの間を真下先生がちょうどスタスタ歩 いてきてすっかりタイミングが狂って慌てたけど、うめさんが『バイバイ!!』っ て言った。そしたら潤さんが振りかえって『お、バイバイ!』って言って、ユニ 君はこっち向いただけだった。そのあとうめさんと、ダーって職員室に向かっ て、笑った。『あたしと潤さんが挨拶してもしょうがないでしょ!笑』って言わ れた。その通りだって思った。そのあとさっきユニ君がいた、職員室前の廊下 の壁にもたれてうめさんとお話した。あと、2週間。みんながほんとにほんと に応援してくれてる。ほんとにほんとに、がんばりたいと思う。

11月1日(金) 雨のちくもり

11月26日〜11月29日分のログ

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