12月22日〜12月28日分のログ

教室に入るとまだ人は少なくて、上野ちゃんとうめさんとお話してた。ロッカ ーにマフラーを入れる。だんだんみんなが登校してくる。その間もずっとお話 してた。チャイムが鳴って、教室の中が慌ただしくなる。『まだ来てないね。』 うめさんが言った。『きっとこんな風に廊下を走ってきそうやない?』と言って 私は廊下を走るユニ君を真似してみせた。うめさんが『ぽいぽい!』って笑っ た。先生が入ってきて、私は自分の席についた。朝のSHRの間、ずっと廊下 を見てたけれど、ユニ君は走ってこなかった。

この前早退してたから、それがひどくなったのかなぁ。絶対絶対、家に帰った らメールをしようと思った。朝から同じ授業がたくさんの、金曜日。ユニ君の 座ってない机を見ながら、ぼーっとした。何だかわかんないけれど、ため息ば かり出た。

4時間目のLHRはクラスマッチの打ち上げの日にちを決めることに。HR委員 の私とうめさんとあねごとゆかりっちは前に出た。少しして、うめさんが『おわ っ!登場〜!!』と小さな声で私に言った。私はその方を見なかったけれど、 すぐにわかった。私が『え!ほんと?!』って言うと『ほんまやって、見て確 かめまい!笑』とうめさんが笑った。だけど、私はその方をやっぱり見れなか った。ユニ君が来た。遅刻?なのかなぁ。よかったーって、思った。

ゆかりっちが黒板に日程などを書いている間に、私はうめさんとアネゴが持っ てきたアメやお菓子をひとつの袋に入れた。『ほら。持って行っておいで』う めさんが言った。私は廊下側のイチバン前の美濃くんの席のところに行って 『これ、ひとりひとつかふたつずつ取って回してください!』って言った。すご く緊張した。緊張したのは、美濃くんの後ろの席がユニ君だから。それまでユ ニ君と美濃くんはたくさんお話してたのに、そのときだけユニ君は黙ってた。 そのあと『ひとつかふたつずつやって』って美濃くんにアメの袋まわしてもらっ てて、ユニ君はいくつアメ取るのかなぁ?って気になったけれど、見てるとバ レちゃうと思ったから見なかった。

打ち上げの日程は、私が新潟に行っているときに決定した。しかも行けない のは私だけでめちゃ泣きそうになった。年末にあるのなんて、そんなぁって感 じだったけれど私だけが嫌だって言うワケにもいかないので、ほんとは行き たくてしょうがなかったけれど『うちのことは気にせんでええよ』って言った。 うめさんがめちゃ悲しそうな顔でみんなの前で『ごっちが行けんから、何かご っちに一言・・』とか言い出して、わぁぁーって感じだった。でもやっぱりみん なと焼肉行きたかったなぁと思う。

そのあとユニ君と美濃くんは"叩いてかぶってじゃんけんぽん"をしだして、正 直うるさかった。何だか妙にハイテンションで、私ひとり打ち上げ行けないこ とも全然気にならないのかって泣きそうになった。逆に嬉しいのかもしれない って思ったらほんとに涙が出てきそうになった。だけど、そのあと年明けの LHRの時間に何の映画を見るかって話になって、選択肢は10個くらいあっ たのに"少林サッカー"と"スパイダーマン"のふたつ、同じのに手を挙げてて 嬉しかった。絶対私とユニ君て趣味合うと思うんだけれどなぁ。

休み時間。ユニ君は壁にもたれて内側を向いて座ってた。友達くんにたくさん 囲まれてた。だけどときどき円の外に視線は行ってた。きっと、その先はすき な子ちゃんだったと思う。ほんとに、私がユニ君のこと見てるみたいにユニ君 はすきな子ちゃんを見てるんだなぁと実感する。私もユニ君とは反対側の壁 にもたれながら、友達に囲まれてときどきユニ君を見てる。一緒だね。

7時間目の簿記の時間。まだ授業がはじまっていないとき、タニミカや岩澤ち ゃんとクリスマスのお話をしてた。そしたら階段を上がってきて、教室の前の 廊下を通ったユニ君と目が合った。うはーって感じだった。その一瞬のときの タニミカたちとの会話がわからなくなって、少し戸惑った。うはー!

家に帰って、新しい携帯でみんなにアドレスと番号変更のメールをする。そし たらあねごやようこさんが『打ち上げのとき、実況中継したるからな!』って 言ってくれた。すごくすごーく嬉しかった。菊さんが『新しい携帯でまたがん ばりよ!』って言ってくれた。それから、何でか知らないけれど他校でよくユ ニ君のことを相談してた久保君に『元気出せよ』ってひとこと言われた。何で あんまり元気ないこととかわかるんだろって笑った。新しい携帯で、またユニ 君とたくさんメールできますように。

12月20日(金) くもり

背中がぽかぽかする。朝の優しい光が、窓越しに暖かさだけを伝えてくれ る。うめさんが持ってきたプリングルスを1枚もらう。ありがとう、と言いながら 小さな声で『みよしくん、頭痛だったんだって。』って言った。もう大丈夫なの かなぁ?とかお話しながら、もう1枚もらう。すると、後ろのドアからユニ君が 入ってきた。うめさんと目を合わせて、笑う。タイミング良すぎだよ、ユニ君。 灰色のマフラーをくるっと外してロッカーに閉ってた。その仕草に何だかとて もドキドキした。教室には男子がほとんどいなくて、ユニ君はすぐに自分の机 に向かってた。何だか考え事をしているみたいで、どこか疲れが残っている みたいだった。おはよう、ユニ君。大丈夫?直接言えたらいいのに。少しして キエちゃんが教室に入ってきた。『何?何のにおい?』って言ってた。うめさ んがプリングルスあげてた。私も、また1枚もらった。(食べすぎ)

3年生の先輩の、課題研究成果発表があった。2年生も来年こうして発表を するので学科全員が大講義室に入った。発表はどれも素敵だった。マックの 半額についての研究とか、ほんとにすごいなぁと思った。私も来年、みんなに スゴイと思ってもらえるような研究をしたいと思った。休憩のとき、席を立って みんなお話してた。私ももちろんその輪に入る。ユニ君はそのとき、一生懸命 感想とかをまとめてて、すごいなぁと思った。ノートもきちんとまとめていたり するところもあって、何だかやっぱり素敵だ。私なんてレジュメの表紙にいる クマの目のまわりと耳を黒くして「パンダ」って、みんなで笑ってたのに。何だ かちょっとだけ、自分が恥ずかしくなった。

同じ教室。同じ前から2列目。直接は見れないけれど、ときどき聞こえる笑い 声にいちいち嬉しくなる。私の声も聞こえてほしい、声が大きくなる。4月から 変わっていないHRの席。端っこと端っこ。距離は変わらない。もし、気になっ てなかったら普通にあいさつできたかな。英語の時間、隣の席になっても何 とも思わなかったのかな。6月のワールドカップ、あんなに真剣に見なかった のかな。こんなに、今、悩んでなかったかな。ただのクラスメートだけど、教 室ではほとんど話さないけれど、メールをしてる。ときどき、だけど。気になっ てなかったら、メールをしていなかったら、ほんとにただの、クラスメート。メ ールをして、端っこと端っこの距離は少しでもユニ君にとって意味を持ったか な。ただの机6つ分の距離かな。"ただのクラスメート"じゃなくて、少しだけ 特別でいたい。"すき"という感情じゃなくていい。特別でいたいよ。

12月17日(火) 晴れ

後ろの黒板には"打ち上げいつにする?"という内容のものが、色とりどりの チョークで書かれてた。私は"土曜"のところに黄色のチョークで"ごっち"と書 いた。みんなでクラスマッチの打ち上げを近くの焼肉屋でする。すごく楽しみ なのと同時に、不安にもなる。ユニ君とすきな子ちゃんが、仲良くなるのが恐 い。席が近くなったりして、話して・・なんてどんどん考えてしまう。自分とユ ニ君が仲良くなることよりも、ユニ君とすきな子ちゃんが仲良くなること、を考 える。すごくすごく素敵なことなのに、やっぱりやっぱり、そんなの嫌だよ。

簿記の時間、20人中6人しかいない女子の中でも、特に仲良しさんな4人組 は席が固まってる。最近は真面目に問題集に向かっていたのだけれど、ケン ちゃんがいなくなると同時におしゃべりの時間になる。話題はクリスマス。 『どうせあれやわ。朝から部屋に閉じこもって、夜になってお母さんが「ケー キ切るわよ」て時だけ部屋から出て、食べたらまた部屋に入るんやわ私。』と かってミカちゃんが言っててかなり笑った。でも笑ったみんなも(もちろん私 も)笑える立場じゃないことに、またみんなで笑った。中央公園のイルミネー ションがとってもキレイに見えるのも、すきな人と一緒だからだと思う。ユニ君 と一緒に見たいです。みんな、今こうやってお話しながら誰かのことをこんな 風に思ってるのかなぁと思った。

『どしたんごっち。なんか元気ないね?』有ちゃんが言った。帰りのSHR。私 は有ちゃんに「みよしくんが早退したみたい。風邪かなあ?」と、小さな声で 言った。菊さんのお話によると、5.6時間目からいないみたい。そうじの前、 潤さんがユニ君の机を運んでた。そうじの時間も、帰りの電車でキエちゃんと お話してても、ずっとずっと気になった。ユニ君、どうしたのかなって思った。

ユニ君の気持ちは、以前よりも真っ直ぐにすきな子ちゃんに向かってる。その ことが分かるから、私はもう想っていないよって思ってほしくて、クラスマッチ のあとのお疲れ様メールを送りたかったけれど送らなかった。何か行事があ ればその度に送っていたけれど、送らなかった。だけど、"早退したん?大丈 夫?"って送ってた。まだ、ユニ君をすきになったばかりのころにも、こんなこ とがあった。あのときと同じ気持ち。すきだから、心配になる。嫌われたくな いって、嫌がられるのが恐いって気持ちが、これ以上ユニ君にすきという気 持ちを伝えちゃダメだと思わせてたけれど、やっぱりがんばりたい。嫌われた くないし、嫌がられるのは恐いけれど、自分の気持ちを押し殺すようなことは したくない。前には進めないけれど、いつも前を向いていたいと思う。

ユニ君は何だか頭痛がしたみたい。ゆっくり寝てはやくよくなってください。

12月16日(月) 晴れのち雨

7時に家を飛び出した。信号待ちのとき、朝日が雲の合間から薄っすらと見 えた。オレンジにもピンクにも見えて、すごくすごくきれいだった。急いでいて 手袋をするのを忘れた指先はとっても冷たかったけれど、その朝日を見なが ら、はぁって息を吹きかけたら何だか少し暖かくなった。14分の電車は目の 前で行ってしまって、28分の電車を待つことになった。その間、自販機で"あ ったか〜い"コーヒーを買った。指先に感覚がゆっくりと戻っていくのがわかっ た。

電車を下りると踏み切りのところに有ちゃんがいた。私は駅の横のパン屋に 寄るね、と口パクと動作で伝えてパン屋さんへ走った。少ししてパン屋さんに 有ちゃんが来た。『こんな早い時間にごっち見たん初めてかもっ』って笑って た。有ちゃんは私がお昼のパンを買う間一緒にいてくれて、そのあとふたり で学校に向かった。今日は8時前に体育館に集合。クラスマッチの、バレー の朝練。昨日、私のチームは1勝2敗ですごく口惜しかったから、今日はいつ もよりももっと早く来てがんばろうねって言ってたんだ。体育館に入ると既に 何人か来ていて、私もすぐに加わった。私のチームの9人の中にはバレー部 はいないけれど、みんなでアドバイスし合いながら練習した。笑いが絶えなく て、真剣だった。失敗も多いけれど、確実に上手くなっていくのがわかった。

1時間近く練習して、本当だったら遅刻扱いになる時間に教室に戻って、ケン ちゃんに『朝練でがんばりよったんやってばー!!』なんて言いながら遅刻を許 してもらった。1時間目は保健。教室を移動するとき、ユニ君たちはすきな子 ちゃんたちのグループと一緒に行ってた。私はユニ君の笑顔見ながら、自分 が落ちついていることに気付いた。少しズキズキするけど、でも大丈夫。だけ どいつの間にかすきな子ちゃんたちは違う通路に行っていて、離れてはいた けれど私たちの後ろにユニ君たちがいて、どわーって思った。もうユニ君のこ とは気にしないって思ったのに、ただ後ろにいただけなのに、嬉しかった。

午前中4時間授業をして、午後にクラスマッチ。体育館では1年と2年の女子 がバレー、グラウンドで1年と2年の男子がサッカーをする。体育館は静かに なることがなくて、点を入れても入れられても2階から歓声が起こる。歓声と いうか、悲鳴に近いのだけれど。1クラス3チーム構成。どのチームも試合前 に円陣を組んで気合を入れる。私のチームは円陣を組んで、上野ちゃんが 「うどん!!」と言ったらみんなで『ツルツル!!』と言って、「スポーツ!!」と言っ たら『スルスル!!』って気合を入れ、肩を組んだままグルグルまわった。大歓 声の中、他のチームには聞こえないと思うけれど、この変な掛け声の仕方に 私たちはまた大笑いした。

上野ちゃんがいつも最初のじゃんけんで買って、サーブはいつもようこさんか ら始まる。踵を常に少しだけ上げて、アタックできるようにできるだけ繋げる。 シューズがキュ、と鳴りいつもより少し高いみんなの力強い声が聞こえる。失 敗してもそうでなくても、みんながみんなのところに集まって手をパチンとた たく。点が入れば高く飛びあがった。優勝したみたく喜んだ。サーブが何回か 連続で決まったとき、2階から『ごっち!!ごっち!!』って聞こえた。嬉しくて2 階に向かってわぁぁーって手を振ったらもっとみんなが言ってくれて、ほんと に嬉しかった。チームのみんなも、私が倒れそうになるくらいわぁーってぶつ かってきた。笑った。今日の結果は2勝1敗で、昨日負けたところに勝つこと ができた。朝練の成果だねって、みんなで喜んで、回った。他のチームは3 勝したところもあって、すごいなって思った。2階にいたみんなが下りてきて、 みんなのところに走って行ったらタニミカとキエちゃんにくすぐられて、有ちゃ んが膝掛け毛布をバフって私に被せた。『おっつかれー!!』ってみんなで笑っ た。みんな大すきだーって思った。

男子は優勝したんだよってウワサで聞いた。ユニ君はサッカーで大活躍した んだろうなぁと思った。『みよっしーに何て言うんな?』ってみんなが言ったか ら『・・おめでとう』って言ったらみんながキャーって言った。私のが照れるの に、何だかみんなが照れてた。結果発表のとき、ユニ君は周りの男子に冷や かされながら、すきな子ちゃんの後ろに座ってた。嬉しそうだった。私はその ときのユニ君の笑顔を見て、おめでとうって言えないって思った。でも、平気 な顔でいるフリをがんばった。『男子優勝、4組っ!!』ってアナウンスがあって はねちが「マジで?!」って1番前で立ち上がって叫んで、残りのみんなで『マ ジやん!!』って叫びながらウェーブをした。大笑いだった。はねちが発表の前 に少しだけ作戦してたこと、大成功だった。女子は3位で、総合優勝も4組だ った。すっごーく嬉しかった。嬉しすぎた。またみんなで叫びながらウェーブし た。賞状をもらうとき、鎌ピがもらった賞状をみんなに見せながら勢いで破い ちゃって、みんなで『どわわーー!!!』って叫んでたら、お腹から本物の賞状を 出してもう1度上に上げてた。ワザトだったんだーって思った。笑った。去年 のクラスマッチのとき、何で2年の先輩はあんなにテンションが高いんだろう って思ってたけれど、それがわかった気ぃする。盛り上がったーっ!!

そのあとカメラ屋さんに集合写真を撮ってもらった。ユニ君はまた、すきな子 ちゃんの後ろとかにいるのかなぁって思ったら何だかつらかった。でも、そん な不安よりも総合優勝できたことがとっても嬉しくて、笑顔になった。写真屋 さんにありがとうございましたを言って、いつのまにかみんなで円陣を組んで た。大きな大きな円になってた。体育館の、半分くらいの円だった。ふじこが 『せーのっ!!』って言って、みんなで回った。すごい勢いだった。一緒の円の 中にユニ君もいるって思ったらほんとにおもしろかった。バタバタってみんな こけちゃって、私は鎌ピに思い切りぶつかっちゃったけど、笑った。

クラスマッチの打ち上げを来週あたりにすることになった。焼肉!このクラス マッチを通して、ほんとにみんな、ますます仲良しさんになったと思う。ユニ 君の恋も、何だか進んでいると思う。このままがんばったら、きっときっと上 手くいくと思う。だから、がんばってほしい。うめさんや有ちゃんに『今日、ク ラスマッチのことでメールするんでっ!!』って言われたけれど、送れない。送 ったからってユニ君の気持ちが変わるわけではないけれど、あの笑顔はやっ ぱすきな子ちゃんのためだなってわかっちゃったから、何か、送れない。がん ばってね、ユニ君。ユニ君なら絶対大丈夫だと思う。ぜったい。

4組Cチームのみんな、今日はお疲れ&ありがとう。 うめさん、アネゴ、上野ちゃん、ようこさん、しおりちゃん、あいちゃん、あず みちゃん、たえちゃん。ごっちはみんな大すきやでー!!!チュ。

12月13日(金) 晴れ

11時前。まだ起きているのは私だけで、テレビを見ながらリビングのテーブ ルで会計の問題集を解いてた。廊下にfreebirdが響き渡った。聞き間違 い?って思った。部屋に戻って制服のポケットから携帯を取り出す。間違いな くユニ君からだった。わぁわぁわぁ。どうやら昨日のサッカーの試合が始まる ときに送ったメールが今届いたみたいで、そのことと試合のことが書いてあっ た。春ごろは届くのが送れたり、ユニ君が寝ちゃってる時間に送ったメールの 返信はなかなか来なかったのに、送ってくれるようになった。この前も爆睡し てたあとに送ってくれた。よかったー!おまけに何だか語尾がカッコよかっ た。何だったかは言わないけどっ。ふきゃー

休み時間、長尾くんは何だかずっとユニ君の近くにいて、携帯でいろんな写 真撮ってた。ユニ君もぐぉーって顔近づけたりして、たくさん撮ってもらってた みたい。長尾くんの携帯うらやましすぎる。外は冷たい風が音をたててるけ ど、休み時間の教室はとてもぽかぽかしてて暖かい。こんな小さな教室の中 で、私は今日もたくさんドキドキしてる。お話なんて全然できない距離にいる けれど、一緒の教室の中にいられるだけで幸せ。ユニ君も、教室の前でお話 してるすきな子ちゃんを見ながら、そんなこと思ってるのかな。

『もうすぐクリスマスだよっ!!』って、会うたびに有ちゃんが言う。『見てるほう が何とかしたくなるわー』って笑ってた。ホームステイのとき、有ちゃんにユニ 君をすきなことを教えた。それからずっとずっと、応援してくれてる。先生がユ ニ君の名前呼ぶ度に有ちゃんは私のほうを振り向いて、ニカってする。今日 もそんなことがあって、やっぱ楽しいなぁって思った。成績のこととかで悩み すぎて、ユニ君への気持ちも少しだけ小さくなりそうになってたけど、でもや っぱ楽しい。廊下でユニ君とすれ違う度に、みんなが『ごっちーv』って言うこ とも、ユニ君のひとつひとつの動作に『カッコイイーv笑』ってみんなが私の声 マネすることも、"今日はバイバイの日"ってみんなが勝手に計画してくれるこ とも楽しい。みんながいつも応援していてくれていることが、嬉しい。やっぱり やっぱり、がんばらなくちゃだって思った。

帰り道、欲しかったCDを買って本屋へ行った。何となくサッカーの雑誌を立 ち読みなんかしてみたり。何だかほんとに私ってユニ君のことすきなんだって 思った。改めて、思った。

12月10日(火) くもり 風がすごく冷たい。

時間がなくて朝食もとらずに家を飛び出したのに、結局ひとつ遅い電車にな ってしまった。こんなことなら、パンでもかじってきたらよかったと思った。同 じ電車には同級生の男子がふたり乗ってた。でもそのふたりは駅に自転車を 置いているから、本鈴3分前に着くこの電車でも余裕で間に合うと思う。でも 私は駅からがんばって走らなくちゃいけない。朝食べてないのに走るのは嫌 だよって思ったけれど、遅刻してもいいかなって思ったけれど、駅に着くなり すごい勢いで走った。すぐに男子ふたりに追い抜かれたけど、走った。

自転車通の子たちもすごいスピードで門に向かってる。私はほどけかけたマ フラーを気にしながら門に向かう。あとちょっとだって思ったとき、坂から下っ てくる人と目が合った。その人はパって下を向いて、前髪を触りながら自転 車でスーっと門に入っていった。後ろ姿見て、びっくりした。ユニ君のリュック だった。わぉー!どうせだったら、もうちょっと落ちついてたときに目が合いた かったなぁと思った。きっとすごい勢いだったから、すごい顔してたと思う。な んでマフラーもっときつくまいとかなかったんだろうとか考えながら階段を上 った。チャイムはすでに鳴ってたけれど、遅刻にならなかった。よかった。

どの授業でもテストが返ってきた。平均よりも下のがあって泣きそうだった。 ほとんど自習に近い簿記の時間、以前はみんなおしゃべりする時間に使って たのに、今は女子同士席が近いのにもかかわらず、誰一人しゃべろうとしな いで黙々と机に向かってる。テストが終わったのに、みんな真剣だった。私も 検定の問題集を進めた。休み時間も、タニミカと教室の後ろに貼ってある各 大学の偏差値を見てた。推薦で上手くいったら、来年の今ごろには行くところ が決まっているかもしれない。そう考えたら何だか不思議で、同時に高校生 活もあっという間なんだなぁと思った。だからこそ、毎日を大切にしなくちゃ。

帰りのSHRで全国模試の結果が返された。絶対ダメだーって思っていたけ れど、国語も英語も『UP↑』の印が付けられてた。下がり続けてたグラフも 上がりだした。偏差値もだいぶ良くて、嬉しかった。ケンちゃんに見せて、 『朝言うてた大学、行けるかなぁ?』って言ったら『おぉ、行けるん違うか な?』って言ってくれた。同じ系列の子は何だかみんな私よりもだいぶ頭が 良い。だけど行きたい進路は似ているからがんばらなくちゃいけない。みんな に追いつけるようにがんばりたい。明日から放課後、ケンちゃんのところにた くさん質問に行こうと思う。まずは1月にある検定に向けてがんばる。

ユニ君のことは、何だかよく分からなくなってきた。目が合うとすごくすごく  ドキドキするし、休み時間も気がついたら目で追ってる。でも、今は何だかす ごく気持ちが安定しているというか何というか、もう少しこのままでいいなっ て。よくわかんないけれど、そんな感じ。

12月9日(月) くもりときどき雨

『勉強してへん!』なんてみんな言っているけど、実はみんながんばっている こと。将来のために、がんばってること。私は勉強することからとにかく逃げ ていたと思う。後悔することはわかっていても、こんなに後悔するものだとは 思っていなかった。3年の履修計画を提出する前にあたって、私は2年間通し 続けてきた進路希望を変更しようと思っている。ケンちゃんはきっと反対する と思う。自分の成績がわかってるのか、って言うと思う。でも、挑戦したいと 思ってる。今のままじゃダメなこと、目標を高く持つことで自覚したいと思っ た。今いる高校に入るためにがんばった中学のころの私のように、もう1度が んばりたい。評定平均、絶対上げたい。

テストが終わり、どの授業でも席替えが行われる。保健の席替えは少し変わ っていてクイズに正解した数の多い人から、すきな席を選べるというものだっ た。10問中、私は7つ正解だった。最高の人でも8つ正解だったから、私は1 番後ろの席を選べた。ユニ君は6つ正解していたみたいで、端っこのほうの 席を選べて嬉しそうだった。私も、前よりほんの少し近くなれて嬉しかった。

放送のコンクールがあった前日に受けたワープロ検定に、菊さんと揃って合 格した。筆記で絶対落ちたって思っていたから、本当に嬉しかった。あとふた つ他の検定で1級を取ったら、卒業するときに"実務特級"で表彰される。去 年は表彰されたのがひとりだけだったから、流通系列の女子の中で『表彰さ れるんカッコいいよね。表彰されたいー!』って、みんなで言ってる。それに1 歩だけ近づいたことになる。簿記・会計の1級は、何だか落ちてばかりなので この冬こそ取れるようにがんばりたい。受かったこと、ユニ君に聞こえてほし いなぁって思いながら長尾くんとタケワっちに『1級受かったんで!!』って言っ た。聞こえたかなぁ?

簿記の成績のことについてケンちゃんに相談するために、流通準備室に入 る。流経と簿記の差がすごすぎることについて笑われた。進路のことを何と なく話そうと思ったけれど、できなかった。それから、検定のことを報告したら びっくりされた。横にいた中桐先生が『俺が軽く採点した時点で、かなりヤバ かったけどな。笑』と言った。危なかったんだーって思った。でも、1級が受か るのはなかなか難しいことだし自信持っていいよって言ってくれた。結局進路 のことを言い出せずに終わったけれど、がんばろうと思った。

冬休み明けの実力テストのことについて書かれたプリントを見ようと教室前 の掲示板にみんな集まってて、私もその中にいた。そのときユニ君は後ろの 黒板に何か書いていて、私はそれをボーっと見てた。何してるのかなって、 見てた。そしたらその手前から視線を感じた。ユニ君の横にいる、原田君と 目が合った。どわっ。原田君はニタニタしてた。ユニ君のこと見てたところ見 られちゃったって思った。そのあとユニ君に何か話してた。『またアイツお前 のこと見よったぞ』とか言ってるんだって思う。わーもう。

うめさんやアネゴが、『最近よくみよしくんの夢見るんやけど!原田君とセッ トで!笑』って言う。それだけみんな私の恋を考えてくれてるのかなぁって思 った。というかほんとに何で原田君はあんなにユニ君と一緒にいるんだろう。 『ごっちもみよしくんの夢見たいやろー笑』って言うけど、私も夢ならなくさん 見るんだよ。正夢になってほしい夢も、そうならないでほしい夢も、たくさんユ ニ君の夢を見る。四六時中考えてるって、このことを言うのかな。

12月6日(金) くもり

まだまだ。 ぽかぽかぽかぽか。  たった1本の糸が ひとつのマフラーになる。  あたり前のことなんだけど 改めて感動する。

 ひと編み ふた編み  だから手作りのマフラーって暖かいんだよね。 

朝の電車が一緒の、隣の高校の『ヤマダくん』はふじことあゆみちゃんと私の 間で少しだけヒーローになっている。座席が近くなったりすると、みんなで 『今日はイイ日になりそうや!』なんて言って笑う。ヤマダくんは何だかすごく カッコイイ感じの人。ちなみに『ヤマダくん』というのも、勝手につけたあだ名 で、タメなことと元バスケ部なこと以外は何にも知らないのだけれど。(ふじこ 情報。)そのヤマダくんのことで『ほんまにあんなカッコイイ人うちの高校にお ったら、かなり人気になるよのー!』とかって話しながら靴箱に入った。そした ら灰色マフラーをしたユニ君と原田くんがいた。ふじこたちはまだヤマダくん のお話をしていたけれど、私はそれどころじゃなくなっちゃって、やっぱりやっ ぱり私はユニ君がいちばんドキドキするーって思った。

テストが終わったので、現社で席替えがあった。私の後ろの後ろがうめさん でその横がユニ君になった。うめさんは私を見るなり『ごっちゴメン!笑』って 言ってた。ユニ君に聞こえてるよーって感じだったけど、笑った。でも授業中 ユニ君はやっぱりすきな子ちゃんのほうばかり向いてて、授業が終わったあ とうめさんは『みよっしー、ずっと背中向けて失礼な人やわっ!ごっち、メー ルで"うめさんが怒っとった"って伝えといてなっ笑』って言ってた。私は笑っ たけど、でも同時にユニ君がすきな子ちゃんのほう向いてたってことを認めな くちゃいけないみたいで、複雑な気分だった。

長くて少し重く感じたので、昨日、結構長かった髪を切った。かなり短く切った ので気分的にもすごく軽くなった。でも、何だかその気分は"失恋したときに 髪を切る"感じで、少し髪を切ったことを後悔した。失恋したけれど、すっきり さっぱり忘れたいワケじゃない。まだまだがんばりたいんだから。

明日のLHRはクラスマッチの練習。女子がバレーで男子がサッカー。有ちゃ んが『サッカーだって!どうするごっち!見に行きたいやろ。笑』って言った。 私は『うちはバレーがんばるもん』って言ったけど、ほんとはやっぱり見に行 きたくてしょうがないよ。サッカーサッカー。がんばってね。  

12月5日(木) くもり

教科書の訳を必死で覚える。でも、視界の端っこにユニ君を発見しちゃうと、 全然集中なんてできなくて、気がついたら同じところを何度も読んでた。やっ ぱりユニ君はいつもよりも少しだけ早くて、私も早くに来てよかったって思っ た。そしてやっぱり前から2列目のみんなは来るのが少しだけ遅くて、少しの 間だけだけれど"隣"の席になれる。やっぱり早く来てよかったって、思った。

2時間目、テスト終了のチャイムが響く。だんだんみんなの声が大きくなって わぁって歓声になる。テストが終わったー!私も有ちゃんとしおりちゃんと喜 んだ。ユニ君もやっぱり嬉しそうで、サッカーできる!って思ってるんだろうな ぁと思った。やったねやったね。

そうじが終わって、教室前の廊下でお話をする。『ここで待ってたら階段上が ってくるよな!』ってうめさん。アピールしなくちゃってことになって、みんなが 『ここで踊りよったら目立つでっ笑』とか、『通ったらスリッパ投げるとか!』 何だか実行しづらい方法を教えてくれた。たくさん笑ったけど、みんなほんと にほんとに応援してくれていて、『もうー!』って私はいつも怒るけど、ほんと は嬉しくてしょうがなかったりする。

わぁわぁ騒いでたみんなが静かになって、みんなが私を見る。ユニ君が来 た。うはーって感じだった。ユニ君は教室に入って、そしてロッカーのほうへ 行った。有ちゃんがユニ君の見える位置に私と場所を変わってくれたり(私は 恥ずいーって断ったけれど)ユニ君が廊下に顔を向けるようにして美濃くんと お話してたときとか、うめさんが『美濃くんナイス!』って叫んだりして大笑い した。少ししてユニ君と美濃くんが教室から出てきた。通り過ぎてから、うめ さんが『その髪どうやってセットしてるの?とか聞いて来まい☆』ってユニ君 を目で追いながら言ってて、それにみんなで笑ってたら教室から原田君が 『おーい!!みっよしー!!』って叫んで、ユニ君が振りかえった。みんなそのと きユニ君のほう見てたから、みんなで一気にバって目をそらした。原田君は ずっとずっとユニ君と大声で話してて、うはーって感じだった。ふたりのお話 が終わって、ユニ君がまた向きなおしてから『タイミング良すぎや原田君っ』 ってみんなで笑った。ほんとに、何だかおもしろかった。

すごくすごく泣きたくなるときもある。諦めなくちゃいけないって思っていても まだすきでいることが、気になっていることが、正直つらい。だけど、みんな でこうやって笑ったり、ドキドキしたりすることがとてもとても楽しくてしょうが ない。みんなのおかげで、ユニ君をこんなにこんなにすきになれたのかなぁと も思う。みんなのおかげでがんばりたいって思える。絶対絶対がんばるけん。 やけんこれからも見守っててな。ありがとうみんな。大すき。

12月4日(水) くもり

おやすみ(-_-)zz 妹の枕もと タオルのお布団で眠るワンちゃん。  走りまわるのがすき サンタさんにはゲームを頼む  ショートカットで スカートよりもズボンがすき  そんなちょっとボーイッシュな妹だけど  やっぱりやっぱり かわいいとこあるなぁと思う。  
 

- そっかぁ、大変なやつばかりだね。私は1時間なんだがんばろーね

"おう!!勉強しよん?"

- ・・今テレビ見よった みよしくんは??

"さっきまで爆睡してたから、かなり焦ってます"

- あはは

最初に送ったメールの返信がなくて泣きそうになってたけれど、メールしてる 途中にユニ君が爆睡してたことがわかった。無視、とかじゃなくてほんとによ かったって思った。それどころか、メールを終わらせた感じで送ったのにも返 信が来て、わぁって思った。それで、最後におやすみなさいって言ってみたら ユニ君も"おやすみ(-_-)zz"って言ってくれた。わぁ寝てる!て感じだった。

最後の1枚になったカレンダーを見て、ユニ君の誕生日から2週間が経ったん だって思った。この秋いちばん勇気を出した日から、メールしてなかった。で も、このままなんて嫌だって思ってメールを送ってみた。そしたら何だか結構 続いて、題名が『Re:』でいっぱいになって、嬉しかった。勇気出してよかっ たって、思った。ユニ君は、私がメールしただけでこんなに嬉しいこととかわ かってるのかな。わかってなさそうだなぁ。

テスト4日目。お母さんに久しぶりに車で送ってもらえたので、いつもよりも 15分くらい学校に早く着いた。タニミカやタケワっちと簿記の教え合いっこ (私は常に教えてもらう側)して過ごした。少しして、ユニ君が来た。タケワっ ちの席のところで問題集を開いてたから、ちょっとだけユニ君の席に近づけ た。なにもなかったのだけれど、何だかやっぱりドキドキした。学校ではほん とにお話したりできないけれど、昨日もユニ君とメールしたんだなって。すき な人とメールしてたんだって、私って幸せだって思った。

今日の会計は何だかボロボロで泣きそうだったけれど、明日の残り2教科は ふたつともユニ君と同じだからがんばりたい。ラスト1日だ!

12月3日(火) 晴れのちくもり

タピタピ by マーク ホームステイへ行くときに買ってもらった辞書。 左上から下に、アネゴ 菊さん あゆみちゃん 右上から下に、ジャスミン あずみちゃん 有ちゃん と、一緒に撮ったプリクラを貼ってる。 "クラスの女子みんなゴッチと撮ろうよ"計画中。
  夜の2時半。目を閉じている時間のほうが長くなっていく。まだ覚えきれてい ないプリントを机の上にそのままにして、倒れるように毛布に包まる。5時に 目覚ましを合わせて、絶対起きるって何度も唱えながら眠った。けれど次に 目を覚ますと6時半をちょうどまわったところで、いつも通りの朝が待ってた。 プリントの暗記は後回し。ふたつ早い電車も諦めて、いつも通りの朝を過ごし た。目を瞑って玄関のドアを開けたけれど、思ったよりも空気は冷たくなくて 自転車で一本道を思いきり走っても、手袋を忘れた手は悴まなかった。

ふじことあゆみちゃんと思い出話に大笑いしながら靴箱に入った。テスト期間 だっていうのに、私たちはいつもと変わることなくおしゃべりを絶やさない。ふ と、下のほうの靴箱を見た。ユニ君のおっきな靴があった。もう、来てるんだ。 やっぱりひとつでもいいから、早い電車で来たらよかったなぁって思った。明 日こそは明日こそは。

いつも遅刻者が絶えない私のクラスも、テストの日になるとチャイムが鳴ると きにはみんな席についている。それがあたり前なのだけれど、何だか少し不 思議な感じだった。私もみんなに負けないように、プリントを見て最後の追い こみ。先生が教室に入り、ユニ君が『きりーつ』と言う。私はプリントに目をや りながら席を立った。それから、ユニ君を何となく見た。同じ前から2番目の、 1番端っこの席のユニ君。パチって、音がしたかと思った。目が合った。うわ ぁって感じだった。『れーい』ユニ君が言って、座った。私は机に伏せた。前 の席の有ちゃんが『どしたんごっち?涙目やで?』って言った。よくわかんな いけど、ドキドキして、恐かった。

昨日、かなりがんばった漢文は自分なりによくできたと思う。ケンちゃんが予 鈴を本鈴と聞き間違えて10分短くなった、問題数が半端なく多いプログラミ ングは思ったよりもできたと思う。文書処理は間違えまくってどうしようかと 思ったけれど、古典とかよりは自信がある。今日のテストはいつもよりもよか ったと思う。問題は残る3教科。がんばる!!

12月2日(月) 晴れ

12月22日〜12月28日分のログ

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