"てか池田さんは好きな人とかおるん?"

階段の人とのメール。それまで友達の好きな人の協力するとかしないだとか、ふ たりでお話してた。毎日メールを夜の8時過ぎから11時半までするようになって、 正直ドキドキ感がなくなるほど仲良しさんな感じだったから、その質問は急すぎ て、そしてまたドキドキ感が一気に戻ってきてしまった。

いつもは返信なんて3分あればしちゃうのに、なかなか返信できなかった。そん なの、一番階段の人が知ってるはずなのに。聞くなんてずるいよって思った。で もここで言わなかったら、このままずっと言えない気がしたから素直に伝えるこ とにした。

−私の好きな人は○○くんだよ。やけんいつか好きになってほしいなぁとか思い よるんやけど、ダメかな?

もう私ってすごいと思った。自分で、どこからそんな勇気が出てくるんだろって 思った。そしたら少しして、とっても長いメールが届いた。そこにはすごくビッ クリしてる感じの階段の人からの言葉があった。どうやら私がメールアドレスを 聞いたのは、1年のときの続きかなって感じで深い意味はないんだと本気で思っ ていたみたい。最後に、もっと話したりメールしてから返事をしたいって書いて くれてた。

−バレちゃったからには、いつか好きになってもらえるようにがんばります

長い長い返信を書いたあと、最後に宣言しちゃった。そしたらまた長いメールが 届いて、最初に"がんばってください。"とか書いてあって大笑いした。いっぱい 驚いてた。返事がちゃんとできんでごめんの、って何回も書いてあった。何だか いっぱい考えてくれるみたいでそれだけで嬉しかった。

"ほんま池田さんの気持ちはめっちゃ嬉しい。"

そう書いてくれてて、本当に嬉しかった。やっぱり私、階段の人が大好き。軽い 気持ちじゃないことを知って、ちゃんと考えてくれるみたい。というか後からす ごくすごく恥ずかしくなってきた。私、言っちゃったんだ!!

4月30日(水) くもり

 

おとといの帰り道、ちょうどあの場所で隣に階段の人がいたんだなって思いなが ら、朝の電車に乗った。本当にずっと夢を見ていたみたいだ。思い出すたびに、 どんどん素敵なものに変わっていっている気がする。そして素敵なものに変われ ば変わるほど、実感がなくなる。本当に夢だったんじゃないかって、強く思って しまう。でも本当にいっぱい幸せだった。夢なんかじゃなかったよ。

朝からみんなに抱きつかれた。まだ切り離さずにクリアファイルに入れてある、 階段の人とのプリクラを見ながら『ほんとのカップルみたいやん!!』ってたくさ ん言ってもらえて、本当に嬉しくて照れてしまった。思ったよりもいっぱい話せ て本当に幸せだったよって言ったら、いっぱい喜んでくれた。いっぱい話せば話 すほど、幸せになった。

廊下でときどき階段の人を見かけた。いつもみたいにすれ違ったりしなかったか ら話しかけることはできなかったのだけど、でも笑顔な階段の人を見れて幸せに なった。学校だと、階段の人がとっても遠く感じてしまう。話せないからかな。 また見ることしかできない片想いに戻ってしまった。同じ片想いでも、隣にいら れるのとそうでないのとでは、全然違うって分かってしまった。

−ねー 個人面談とかあるとすごく受験のこと焦ってしまうとか言いながら 今テレビとか見よるけど

"同じく見よるし。ニュースステーションのスポーツ見よるし。サッカーおもろいわ。"

毎晩メールをたくさんするようになった。8時半ころから11時半ころまで、ずっ とずっとしてる。短いメールがいっぱい続くと、また隣でお話してるみたいで嬉 しい。嬉しいけど、いっぱい幸せだけど、できれば本当に隣でお話したいなって 思ってしまう。おとといのことが幸せすぎて、少し欲張りになってしまったのか も。今のままでも十分なのに。

"今が高2やったらえーのに。高3や勉強ばっかで遊んだりできん。いやや〜。"

階段の人がメールで言ってた。本当に私もそう思った。受験勉強さえなかったら また遊びに誘ったりしたかもなのに。メールだって、短いのじゃなくていっぱい 長く送るのに。気になるの、好きになるの、やっぱり遅すぎたのかな。

4月28日(月) 晴れ

 

夢みたいだけど、夢じゃないよ

駅の改札の中。何度も時計と鏡と睨めっこ。最初に会ったときに言うことばを何 度も頭の中で繰り返す。時間が来ると人が溢れる。その中に、階段の人を探す。 誰よりもひとつ分背が高いから、すぐに分かった。パタパタと走って階段の人の ところへ行く。目がパチってあって、ニコってしてくれた。『おはよう』ってふ たりで言った。こういうの、ずっと憧れだったんだ。

背が高いのは知ってたけど、横を歩くともっとそう思った。182cmあるみたい で、私が156cmなこと言ったら『こんまいのー!!』って言われた。でも何だか 嬉しかった。緊張して話せないかもって思ったのだけど、全然そんなことなかっ た。乗り換えの電車にふたりで横に座る。近くてドキドキしたけど、ちゃんと話 せた。この前の遠足で買ったキーホルダーを見せたら、手にとって見てくれた。 階段の人は腕に皮でできた何か付けてて『俺もこれ神戸で買ったんで』って見せ てくれた。何だかすごくドキドキした。

駅に着いて、ふたりで映画館までの道を歩く。すごくぽかぽかしてて、昨日の大 雨がウソみたいだった。階段の人は歩幅もとっても大きくて、置いてかれないよ うにがんばった。『ほんま晴れてよかったよの。雨やったらどうしようかと思て た。』って言ってて、私と一緒だーって思った。学校のこと、友達のこと、この 前のテストのこと、いっぱいお話した。すごくすごく優しい口調で、落ち着いて て、話しやすかった。お店の入り口になかなかたどり着けなくて、ふたりで迷い まくって大笑いした。おもしろかった。

映画のチケットを先に買って、そのあとマックに行くことに。可愛くハッピーセ ットを頼んでみた。先に私が席に着いておくことになって、後から階段の人が私 を見つけて席に着いてくれたときとか、本当ドキドキしてどうしようかと思っ た。おもちゃのプーさんで遊んでたら、いっぱい笑ってくれた。ナゲットのソー スはマスタードのほうがおしいんぞ、とかって教えてくれた。私が食べるの遅く て、おまけにすぐにおなかいっぱいになっちゃったから、階段の人も一緒に私の ポテト食べてくれた。すごく嬉しくて、いっぱい照れてしまった。

隣のテーブルにいた2歳くらいの女の子がむちゃ可愛くて、人形みたいやのーっ て、ふたりで言った。着メロのBABY BABYを階段の人の耳元に近づけて聞かせて あげた。いっぱい笑ってくれた。『ん。そろそろ時間やんな。行く?』『う ん!』そうやってふたりで席を立った。もう、何だか何でも嬉しかった。

映画館の隣の席ってこんなに近かったっけ、って思っちゃうくらい近かった。 携帯の待受けのおもしろいやつをたくさん見せてくれた。なぜか稲垣吾郎のもあっ て、ふたりで大笑いした。私の携帯を見ながら『ほんまプーさんばっかりやの』 って言ってた。私が腕時計で時間確認したときに、『それって文字盤あるん?』 って階段の人が聞いてくれて、顔がすごく近くなってかなりドキドキした。うは ぁ。映画が始まるまで、ずっとお話してた気がする。幸せだった。

映画はとってもおもしろかった。ラブシーンのときは何だかすごく照れてしまっ た。映画が終わって、階段の人の横を歩きながら映画館を出た。明るいとこに出 て、お話した。おもしろかった。そのあとプリクラを一緒に撮ることになった。 階段の人が背を私に合わせてくれて、顔が近くなってドキドキした。レンズ指さ して『ここ見るんで!』って言ったら、ひたすらずっと見てておもしろかった。 そのあとUFOキャッチャーで階段の人がプーさんを取ってくれようとしたのだけ ど、明らかに取れないように置いてあったから、ふたりで諦めた。

友達の誕生日プレゼントを選んでたとき、私がひたすらプーさんのぬいぐるみを 可愛い可愛いって言ってたら、階段の人は初め『プーさんとかよく知らん』とか 言ってたのに、プーさんグッズをすぐに見つけてくれるようになった。プーさん の大きなぬいぐるみをぽんぽん触りながら『お、これええかも。この触り心地た まらん!』とか言ってた。もうほんとにたくさん笑った。

下りのエスカレーターのとき、ひとつ違いの段に乗ったら背が一緒になった。そ れで『これでやっと一緒の高さになった!』って背比べみたく手を頭のとこにし たら、いっぱい笑ってくれた。『ほんまやの。こんだけ差あるんかぁ』って言っ てた。何だかすごくドキドキした。

本屋さんやCD屋さん、携帯屋さんとか雑貨屋さんとかいっぱい行った。スポー ツ用品のところで、階段の人がテニスラケットの持ち方とか教えてくれた。い ろんなこと教えてくれた気がしたのだけど、あまりにも近かったことにドキド キしてあんまり覚えてない。でもいっぱい笑った。

アイス食べようってことになって、私がチョコチップ頼んだら階段の人はイチ ゴ頼んでて、お店のお姉さんと一緒に笑ってしまった。可愛すぎる!それでふ たりで一緒にベンチに座って食べた。階段の人が『こういうん食べたらすぐ頭 痛くなってしまうー!』って言ってて笑った。『今日、あんま知り合いに会わ んでよかったの。』って言われて、ふたりの秘密みたいで何だか嬉しかった。

もう5時を過ぎてたから、帰ることにした。従業員専用の出口から出ちゃって、 『ここどこやー!!』とかふたりで言いまくった。若いお兄さんが通り過ぎてい って、『今の従業員だよ絶対!』『いや、従業員ぽくなかったで!』とかって 言い合った。道に迷った分、ふたりでたくさん歩けて嬉しかった。

駅について、ふたりで隣に座った。田舎の駅だから誰もいなくて静かだった。さ っきよりも沈黙が少しだけ続くことが多くなったのだけど、それも嬉しかった。 『明日晴れたら練習よっけできる!』って部活のお話してたから、『総体近いも んねー、がんばってよ!!』って階段の人向いて言ったら、すごく顔が近いところ で目が合った。すごく照れてしまって、すぐに目をそらしてしまった。

帰りの電車は少しだけ混んでた。まだ座れるところもあったのだけど、階段の人 が電車のイチバン後ろの壁のところに行ったからついて行った。お互いの家のこ ととか、遠足のときにしたメールのこととか、いっぱいお話した。私がドアのと ころの手すりを持って前を向いて、階段の人は私の左肩のとこにある手すりを持 って私のほうを向いてくれた。緊張で、階段の人のほうを見れなかった。でもそ の近さがとっても嬉しくて、ずっとこのままがいいのにって思った。駅が近くな ったとき『あと一駅か』って階段の人が言って、寂しくなった。

電車を降りて、たくさんの人がエスカレーターを上がって行った。私たちは最初 のほうに降りたからすぐに上がれたのだけど、階段の人が他の人たちがあがるの を待ってたから、私も待った。それで、後に誰もいなくなって、一緒に乗った。 すごくすごくドキドキした。2階に上がって動く歩道を使うとき、他の人たちが みんな先に行っちゃって、ほんとにふたりきりになった。動く歩道って歩くもの なのに、階段の人が立ち止まったまま乗ってて笑った。ふたりきりだから恥ずか しくて『歩こうよー』って言ったら『や、このままがいい。』って言われた。本 気でドキドキしてどうしようかと思った。いっぱい近くにいれて、嬉しかった。

朝、おはようって言った場所。乗り換えの電車が来てたから、すぐにバイバイす ることになった。『じゃぁ、気つけての!』って言ってくれた。『ありがとう! バイバイ。』って手を振ったら、ニコってしてくれた。すごく照れてしまって、 ダーって走ってしまった。いっぱいドキドキした。ひとりで乗り換えの電車に乗 ってから、今日のことが全部夢みたいに思えてきた。でも、ふたりで撮ったプリ クラと映画の半券を見ながら、ほんとだったんだって幸せになった。

家に帰ってから、少しだけメールした。『今日はおもろかったよ』って最後に言 ってくれた。いっぱい幸せになった。メールも幸せだけど、嬉しいけど、直接話 すのがイチバン幸せだって思った。これからも学校とかで、いっぱいお話できた らいいな。いっぱいドキドキして、いっぱい嬉しくて、いっぱい笑った。私、階 段の人が大好きだ。

4月26日(土) 晴れのちくもり

 

カレンダーに君との予定を書くのが夢だったんだ

朝からみんなにたくさん抱きつかれた。『いよいよ明日やのー!!』って言ってく れた。そして必ず『プリクラ絶対ちょうだいね!』って言われる。撮れるか分か らないけど、もし撮ったら10人くらいにあげないといけなくなっちゃうよ。そ したら自分のがなくなっちゃう!!でも、みんなが本当に応援しててくれて嬉しか った。いっぱい予行演習みたいなのした。たくさん笑った。

私が鏡の前で何回も何回もファッションショーみたいなことしてたら、おばあち ゃんが『そんな嬉しそうにしてー。そうだ、じゃぁおばあちゃんが何か買ってあ げようか。』って言ってくれて、可愛いバッグを買ってくれた。すごく嬉しかっ た。明日、絶対持って行くね。

お昼もマックで一緒に食べることになった。私も階段の人も途中で電車を乗り換 えするのだけど、その乗り換えの駅で待ち合わせすることになった。うきゃー! ひとつひとつ決めていくのが、ほんとにデートの約束みたいで嬉しかった。

"明日、朝のうちが雨で昼から晴れるっぽいけんよかった。"

階段の人がそう言ってくれたとき、本当にすごく嬉しかった。天気のこと、私も ずっとずっと気にしてて、お昼から晴れるって知ってとっても嬉しかったから。 雨だったら勇気出して相合傘とかしちゃおうって、友達と話してたのだけど。や っぱり晴れがいいなぁ。遠足のときも、同じこと言ってた気がする。

"女の子と二人きりで映画やあんまないけんドキドキや。"とか言ってて、うきゃ ーって思った。『私も何だか緊張してきたかも!』って返信した。階段の人への メールは、すごく素直に書ける。変に言葉考えたりせずに、そのまま送ることが できる。だから明日はいっぱい素直にお話したいなぁって思う。

"こんなん誘ってくれてありがとうの。こっちも楽しみにしとく。"

明日、いっぱいいっぱい楽しもうね。すごくドキドキワクワクしてる。岩澤ちゃ んが『手つなげ、手!二人がますます良い感じになるよー遠くから密かにテレパ シー送っじょるけん!!』ってメールくれた。私、明日がんばるよ!!

4月25日(金) くもり

 

『ごっち、目が探しよるのー!誰かなぁ?笑』後ろのほうにいる階段の人を見て たら、しおりちゃんが言った。上野ちゃんも大笑いしてた。階段の人はネクタイ を着けているところだった。朝忙しかったのかな、なんて思った。ネクタイを着 けてる仕草がとっても何だかカッコよかった。クラス別にバスに乗る。今日は高 校生活最初で最後の遠足。何歳になっても遠足ってドキドキワクワクする。

−バス乗ってからさっそくみんなでお菓子交換とかしたよ

"こっちは先生がくだらんクイズしよる。ありえんけん。"

神戸への片道2時間半のバスの中。ふたつ前を走るバスに乗っている階段の人へ メールを送る。天気が少しでも変わる度に『晴れてきた!』とか『やっぱり雨か なぁ』とかってメールし合った。何度も何度も楽しみだねって言った。階段の人 のバスでしているクイズを言ってもらって、私が答えたりした。何だかとっても 幸せだった。

ハーバーランドに着いて写真撮影。岩澤ちゃんの好きな人と階段の人が一緒にふ ざけて写真を撮ってて、岩澤ちゃんと『あの写真欲しい〜!!』って笑った。階段 の人と何度か目があって、すごくドキドキした。お昼を食べるときも、同じお店 にならないかなぁとかってずっと考えた。タニミカが途中から彼氏くんと一緒に お店をまわることになって、何だかとってもうらやましかった。

かわいいお店がたくさんあった。仲良し4人組でおそろいのキーホルダーを買っ たり、遊園地みたいなところで写真を撮りまくったりした。小さな商店街みたい になっているところで、階段の人たちとすれ違う形になった。だけれど階段の人 はワザトかと思うくらい、私のほうを向いてくれなかった。それでも会えたこと が嬉しかった。氏家ちゃんに相談して、勇気を出してメールすることにした。

−あと1時間だけ一緒におらん??

顔から何か出ちゃうんじゃないかってくらい、緊張した。携帯をギューってし た。さっきすれ違ったばかりだから、まだ近くにいるはず。早く返信が欲しいっ て、何度も思った。だけれどその返信は、ごめん、だった。部活の後輩にお土産 買いよるとこやけん、って書いてあった。そんなの1時間もかかるはずないって 思ったのだけど、最後にもう一度ごめんって言われて、諦めることにした。

一気に気持ちがぐるぐるした。避けられたのかなって思った。一緒にいるの、嫌 なんだって思った。涙が一気に溢れそうになった。いつもみたいに、『えーよ』 って言ってくれるって、心の中で思ってた。少しでも期待しちゃった私がすごく 恥ずかしかった。その後何度も階段の人とすれ違ったけど、うまく見れなかっ た。泣きそうな顔見られたくなかった。『あの人、ごっちのこと気にしてたよ』 って氏家ちゃんが言ってくれたけど、何だかよけいに辛かった。

帰りのバスでは、ずっと隣の席の氏家ちゃんにお話聞いてもらった気がする。不 安な気持ちでいっぱいなこと。このままじゃあさっての映画、絶対行けないーっ て何回言ったか分からない。だけれど気まずいままは嫌だから、朝みたくメール を送ることにした。そしたら思ったよりも普通で、お昼は何食べたん?とか、た くさん質問もしてくれた。それから学校に着くまで、ずっとずっとメールした。 最後に『楽しかったけどなんかもの足りんわ。もう1回くらい行きたい。』って 書いてあって、私も!って思った。だけど、やっぱり何だか泣きそうになった。

家に着いて、あさっての映画の日に何着ようかなって鏡の前で何度も着替えた。 だけど昨日までとは気持ちが全然違って、嫌だって思われてる気がして、こうや って選んでても意味ないのかなぁって思った。夕飯のときもボーっとしてしまっ て、何回もお母さんに怒られた。あさっての映画の待ち合わせのこととか、そろ そろ決めなくちゃなのにメールをするのが恐くてしょうがなかった。もう今日は HPに日記を書くのもお休みして寝ようって思ったとき、メールが届いた。

"今日は誘ってくれたのに断ってごめんの。やっぱよーけ人おったけん微妙に照 れとったごめんの。"

どうしようかと思った。何だかすごくドキドキして、嬉しかった。すごくすごく 安心してしまった。よかったぁって思った。

"メール来たとき行こうかなとか思ったんやけどやっぱ恥ずかしかった"

涙が出そうになった。いっぱいあった不安の気持ちが一気に飛んでった。階段の 人が好きだって思った。何度もごめんって言ってくれた。だから何度もありがと うって言った。よかった。嫌われてたんじゃないって思ったら、本当に嬉しかっ た。嬉しすぎて、また鏡の前で何度も着替えてたらお母さんに早く寝なさいっ て、また怒られた。でもやっぱ嬉しかった。

4月24日(木) くもりのち雨

 

ひとつの約束ごとが、私にはとってもとっても嬉しい。階段の人との小さな秘 密ができたみたいで、とっても嬉しくて、秘密なのにすぐに誰かに伝えたくな ってしまうよ。

テストが今日で終わって、明日は待ちに待った遠足。階段の人とメールをする のは日課みたいになってしまって、緊張したりだとか、返信こなかったらどう しようって不安になったりはしなくなった。これも、アドレスを聞いたときか らの、私の勇気のおかげかな。階段の人がとっても優しいから、というのもあ るかもしれない。

テストのこと、遠足のこと、天気のこと、お菓子のこと。それだけでもたくさ んお話した。階段の人の口調はいつもとっても落ち着いていて、とても話しや すい。バスに2時間半って長いよねってお話になったときに、冗談ぽく『バス の中でもメールとかしてもいい??』って聞いてみた。そしたら『えーよ』っ て言ってくれた。どうせバスに乗ってるときはお菓子食べまくるだけになりそ うだったけんの、とか言ってて笑った。すごくすごく嬉しかった。

"バスでメールするとき、他の人にメールあんまり見せんとっての。なんか恥 ずかしいけん。"

あとでそう言ってくれた。何だか分からないけど、すごく照れてしまった。だ から私も友達に見せちゃダメだよって言ったら、『見せんし!』って言ってく れた。うきゃー。何だかすごくドキドキしてしまった。ふたりだけの秘密だ。 (とか言いながら日記に書いて公開しちゃったし!嬉しすぎて。)

そのあと、今度の映画のことをいっぱい決めた。何時にする?とか、前よりも もっと詳しく。最後に『楽しみや。』って言ってくれた。ひゃー!それで私も 『遠足も映画も、最近なんか楽しみなこといっぱいある気がする』って送っ た。階段の人がいるからだよって気持ちも込めて。それで勝手に幸せな気分に ひたってたら『でもやっぱ一番楽しみなんは部活やの。』って言われて少しだ け泣きそうになった。でも、最後の総体に向けて一生懸命がんばってる階段の 人が好きだ。1番はやっぱり部活でも、映画も楽しみって言ってくれてやっぱ り嬉しい。

2時間半のバスの中。みんな退屈退屈って言ってるけど、私は何だかとっても 楽しみ。3番目でも4番目でも、もっと下でもいいから、階段の人もバスの中 でメールすることを少しでも楽しみに思っていてくれたらいいな。

4月23日(水) くもり

 

夕日がとってもきれいだったよ  ♪君を想い出せば 胸が苦しくて
  消えて失くなりそうだ

  大好きな人の大好きな曲を大音量で聞きながら帰った。

 
階段の人たちが部活を終えて部室塔へ行くとき、振り返って食堂のほうを見て くれた。うわぁって思って気づいてないフリをしたのだけど、気にしてくれて いたみたいで嬉しかった。

"部活すんだんやけど、どこおったらえん?"

−おつかれさま〜 部室の前らへんまで行こうか?

"今ちゃり置きおるけんそこでえーよ"

急いで向かおうとしたのだけど、自転車置き場に通じるドアが日直の先生に 鍵を閉められていたみたいで通ることができなかった。泣きそうになった。

−ドア開いてないけん(笑)門のところらへんに行くね。ごめん〜!

急いで靴を履き替えて、校門へ向かった。ときどき選挙用の車が通ってたから お願いだから邪魔せんとって!!って思った。夕方6時。全部のものがオレンジ 色だった。あゆみちゃんも階段の人が来るまで傍にいるって言ってくれた。 CDの入った袋を持って、階段の人が来るのを待った。少しして遠くのほうに 見えて、わぁ〜って思った。何でかわからないけど、それだけで嬉しかった。

階段の人も友達くんといた。あゆみちゃんに『行ってくるね』って言って階段 の人のほうへ少しだけ歩いた。そしたら玄関のところで植田先生がニヤニヤし ながらこっちを見てて、みんな大笑いだった。すごく照れた。階段の人も、友 達くんから離れてこっちに歩いてきてくれた。日に焼けてるのとか、近くで見 るととってもドキドキした。でも、緊張で苦しくなったりはしなくて、すごく 落ち着いた気持ちになった。

階段の人がずっと笑顔でいてくれたから、私も笑顔になった。『これ、ありが とう!』ってちゃんと言うことができた。階段の人も更にニコってしてくれ た。なんかふたりで何度もお辞儀した気がする。笑った。近くにいた友達くん もずっとにこにこしててくれた。『あ、そうだ』って言いながら(思い出した ように言いながら、実は計画してた)カバンから「ぷっちょ」をふたつ出して 階段の人の大きな手にのせた。『友達くんと、ふたり分!』って言えた。また 笑ってくれた。

そのあと階段の人は友達くんのほうへ行って、門を出た。私はあゆみちゃんの ほうにパタパタ走って戻った。『なんかふたりすごいイイ感じだったし!!感 動!!向こうもむっちゃ嬉しそうだったなぁ!』って言ってくれて嬉しかった。 何回もありがとうって言った。さっき玄関のところにいた植田先生が車の窓を 下げながら『なんやー、一緒に帰ったらええのに〜♪』とか言ってて大笑いだ った。『そんなんじゃないよ!』って言ったら『お、違うんか?』とか言って た。でも、やっぱ嬉しかった。

4月22日(火) 晴れ  ♪GOING STEADY【BABY BABY】

 

一緒に映画行くんだよってこと、嬉しすぎて色んな友達に報告してしまった。 しおりちゃんは『よかったやん、ごっちー!!』って抱きついて、一緒になって 喜んでくれた。『ごっちの嬉しそうな顔見るんがイチバン好き!』って言って くれてすごく嬉しかった。有ちゃんは『うっそーーー!』って信じてくれなか った。でも『よかったのぉ!うまくいきよるやん!今回はっ笑』とか言ってて おもしろかった。タニミカに映画のデートのコツを教えてもらったりなんかし た。楽しみすぎて、どうしようって感じだ。

すごく照れてしまう。何だか恥ずかしすぎて、おはようどころか目を合わすの も難しい。午後は3年全員の集会みたいなのがあって、いつもは学科が違うか ら同じ授業とか1度もないのだけど、少しだけ同じ教室にいられることになっ た。席はうーんと離れてたけれど、それでも何だか嬉しかった。階段の人のほ うを見たら、その横の男子と何度も目が合った。その人は私がユニ君を好きだ ったことも知っている人だから、できるだけ階段の人と関わってほしくないっ て思った。

菊さんとゆきちゃんとお話してたとき、階段の人が階段を上ってきた。(何だ か階段がいっぱい) パチって目が合って、それまで笑ってた階段の人が下を 向いてしまった。私は菊さんと目を合わせながら、小さな声でわぁとかひゃぁ とか言ってた。すごく避けられたような気がして泣きそうになった。すれ違っ たときはバイバイって言うって決めてたんだけどな。照れる!

休み時間、氏家ちゃんと廊下の壁にもたれてお話。ここにいると、隣の教室の 階段の人が見える。いつも窓側にいる階段の人。何度か目が合った。すごく嬉 しかった。私が何でここにいるのか、とか向こうは全然気づいてないんだろう なぁ。氏家ちゃんと、ずっとずっと恋のお話した。長尾くんとのことも教えて くれて、嬉しかった。『氏家ちゃんと長尾くん、ふたりでいるの見るの、すご い好きだよー!』って言ったら嬉しそうだった。氏家ちゃんがすごくすごくう らやましいな。

テスト前日だからメール送るのはやめとこうと思ったのだけど、送ってしまっ た。テストのお話、塾のお話、遠足で神戸牛食べるお話・・それでまたテストが 嫌だぁってお話になったときに、階段の人がCDどうしよう?って言った。 私は返しちゃったら接点がなくなっちゃう気がしてたから、まだ返したくない なぁって正直思ったのだけど、でも会ったら絶対話せるって思ったから返すこ とにした。

"明日テスト済んだらすぐ部活行きたいけん、終わってからでえん?"

−いいよ 何時ころになるん??

"たぶん6時半くらい。"

−うんわかった たぶんまた友達と勉強会(といってもおしゃべりやけど) しよると思うけん、終わったらメールくれるん?

"わかった。待たせてしまうけどごめんの。"

−全然大丈夫

嬉しかった。好きな人の部活が終わるのを待つなんて、嬉しすぎる。靴箱に入 れとって、とか言われなくてよかった。何時間でも待っちゃうよ。緊張だっ。 最後に『またえ(良い)んがあったら貸しての。』って言ってくれた。やった ー!決まり文句なのかもしれないのだけど、約束ができたみたいで嬉しい。そ れからまたおやすみって言ってくれた。明日のテストはすごくがんばれそう!

4月21日(月) くもり

 

私きっと、今日は世界で3番目くらいに幸せな女の子だ。

昨日の階段の人とのメールのあと、あゆみちゃんに『明日電話していいかな ぁ?』って送ると『めちゃ気になるけん今からでもいいよ』って言ってく れて、すぐに電話した。映画のお話を向こうからしてくれたこと、少しだけ期 待しちゃったって言ったら『絶対それは誘いよるよ〜!』って言ってくれた。 それからもずっとずっとお互いの恋のことをお話した。気がついたら1時とか 過ぎてた。あゆみちゃんと電話すると、ほんとに長くなってしまう。いっぱい 相談して、明日は映画のことを私から言ってみようってことになった。ドキド キして、なかなか眠れなかった。

起きたらお昼頃になっててどうしようかと思った。朝イチバンに『今日の試合 がんばってね』とか送ろうって思ってたのに。何度も昨日のメールを読み返し たり借りたCDを聞きながら勉強したりして、夕方がくるのを待った。そろそろ 終わった頃かなぁと思って、『試合おつかれさまどうだった??』って送 った。そしたら2試合とも勝ったみたいで、次は本戦だって言ってた。

ひゃぁ〜さすがだなぁって思った。カッコよすぎって思った。(恥ずかしいか らそんなことは言えないけど)いっぱいおめでとうって言ったあと、『昨日映 画のお話しよったやんか、映画はよく観るほう?』って送った。これかなりド キドキした。そしたら最近見たのはロードオブザリングで、月に一度くらい行 くって言ってた。だから『そっかぁ、○○くんは怖いのばっかり観るんかと思 ってた』って送ったら『観よらんし。』って言ってて笑った。でもちゃっか り昨日のいかにも怖そうな映画のお話をしてた。『でも怖いん結構好きや。○ ○は来週からやけん楽しみ。』とか言ってて、もうやめてーって感じだった。

『池田さんは観にいかんの?』って聞かれて、そんなの絶対観ないよーって思 ったのだけど、また昨日みたくこれでメールが終わっちゃうのなんて嫌だった から『ねね、今度一緒に映画観にいかない??その怖いのじゃないやつで。』 って送ってみた。すごくドキドキした。送信ボタン押したあと、携帯残して別 の部屋に行っちゃったくらい緊張した。きゃーきゃー!そしたらすぐに返信が 来て、『えーよ。なんかおもろいんありそう?』って言ってくれて、すごく嬉 しかった。いっぱいまくら叩いた。誰かに叫びたかった。

『じゃぁそれ行く?』『いつ行く?』とか、いろいろ決めるのがすごくドキド キした。映画館は街のほうと、そうじゃないほうがあって『街のほうでいい ん?』って言ったら『街は人がよーけおるけん、もうひとつのにしよ?』とか 言っててむちゃ笑ってしまった。日にちは、来週の土日のどちらかにしようっ てことになった。本当は試合の日だったみたいなのだけど、今日勝ったからシ ードになって行かなくても大丈夫になったって言ってて、嬉しかった。

最後に『映画誘ってくれてありがとう』って言ってくれた。『怖いほうがよか った?』って聞いたら『それは友達と観にいくことにするけん』って言ってて 笑った。最後にバイバイって言ったらバイバイって言ってくれた。いっぱい嬉 しかった。何度も何度もメール読み返した。どうしよう。私すごく幸せだ。

あゆみちゃんとうめさんに急いで報告。そしたらすっごく喜んでくれた。うめ さんは『アドバイスならまかしての!!』とか言ってた。嬉しいよ〜!お母さん にも『好きな人と映画行くことになったよ』って言ったら喜んでくれた。明 日、美容院行ってこようかな。いっぱいキレイになりたい。映画、楽しみだ。

4月19日(土) くもり

 

メールしてるのおもしろいよって、迷惑なんかじゃないよって言ってくれたこ とを1時間目が始まるまでずっとずっとタニミカにお話した。いっぱい一緒に 喜んでくれた。『ごっちええやん!ミカよりも幸せそうやし。ミカなんかこの 前一緒に帰ったとき何したと思う?鉄棒で足掛け回り見せてくれただけ!』と かって彼氏くんのお話をしてくれた。でもそんなやりとりがとっても羨まし い。ふたりでいっぱい笑った。『ごっち達すごいイイ感じになってきたな。』 って最後に言ってくれた。また嬉しくて笑った。

明日、階段の人は試合があるみたいだから、今日はどうしても直接お話してみ たかった。教室の中にいるのは何度か見かけたけど、いつもみたいに廊下です れ違ったりは一度もなかった。今日ならアドレス聞けたときみたく、勇気は出 せると思ったのに。明日がんばってね、って伝えたかったのに。

家に帰って、またいつもの時間にメールを送る。月曜日から毎日送ってるから もう最初みたく顔が熱くなりすぎたりはしないのだけど、やっぱり少しだけ緊 張する。初めは明日の試合のこと、着メロが同じだったこと(階段の人に借り たアルバムの中の曲)、その曲を今度のお昼の放送で流してほしいってこと。

初めのときよりもいっぱい、長く続くようになった。気がついたら10時を過 ぎようとしてたから『時間大丈夫?』って聞いたら『大丈夫。まだ寝んけ ん。』って言ってくれた。すごく嬉しかった。『家遠いん?』って聞かれたと きとか、どうしようかと思った。電車通なこと言ったら、俺も電車で行きたい とか言ってくれた。そうして!とか言いたかったけど、言わないでおいた。

私のメールは絵文字がいっぱいで読みやすいって言ってくれた。あと、夏は 学校来るときだけで汗かくから、ずっと今くらいの気候が続いてほしいって言っ てて私も同じだーって思った。それで、いっぱい共通点見つけて嬉しいなぁっ て思ってたときに、いきなり『○○の映画しっとん?』って聞かれた。知らな かったのだけど、知ってるって言いたかったからネットで急いで調べたら怖い 映画だった。私のイチバン苦手な、怖い映画!

めっちゃ見てみたいんやとか言ってたから、私も一緒に見たいって思った。で も勉強することよりも苦手な怖い映画だから、絶対無理だぁと思った。『私す ぐに目とか閉じちゃうんやけど!』って言ったら『怖いけどそのドキドキがな んともいえんのやって!』って言ってた。今がチャンス!って思ったけど、も う一回ネットで調べたところのいかにも怖そうな写真を見て、その次の次のメ ールくらいで『また観たら感想言ってね!!』って送った。そしたら『わかっ た。明日試合やけんもう寝る。おやすみ。』って着て、たくさん続いたメール が終わってしまった。

怖いの我慢して、映画一緒に行こ?とか言えばよかったかなぁって思った。も しかしたら、いいよって言ってくれたかもしれないのに。言ってくれなくても それくらい階段の人のこと好きなんだよって伝わるかもしれなかったのに。一 緒に行けたら、苦手な怖いやつだからこそ、階段の人の腕にギュっとかできた かもしれないのに。階段の人からの最後のメールが届いた瞬間、いっぱいいっ ぱい後悔した。せっかくの大チャンスだったかもなのに。

明日試合お疲れさまメールを送るとき、映画行かない?って言ってみようか な。怖いやつだったら、見てくれるかな。今日は2時間半もメールが続いた。 こんなに続くんだから嫌われてはないよね?好きとまでは絶対思ってないにし ても、嫌われてないって思ってみてもいいのかな。映画、誘っちゃダメかな。 テストが近いのに、階段の人で頭がいっぱい。もう私おかしくなりそうだ。

4月18日(金) 晴れ

 

嬉しいことがいっぱいになると、同じ分だけ不安になる。階段の人が優しい人 って分かれば分かるほど、私とメールしてくれてるのも「しょうがなく」なの かなぁとかいっぱい考えてしまう。私だけがどんどん好きになっていって、ひ とりで勝手に嬉しくなったり落ち込んだり。ひとことひとことがとっても嬉し いのに、不安になっちゃうよ。

教室が隣だと、こんなにたくさんすれ違うんだって思った。前まで階段の人は 絶対私の気持ちをひとつも知らなかったと思うから、気にせずたくさん見るこ とができたのに、アドレスを聞いたときから私の気持ちはバレバレだと思うし 昨日の放課後のことがあったから、もう照れて見れなかった。自然にバイバイ とかは恥ずかしくて言えなくて、ただ友達とお話するフリすることしかできな かった。前の恋から成長できたと思ってたけど、全然成長できてないや。

そうじの時間。廊下であずみちゃんとふざけあってたら、階段の人が通った。 バイバイ、部活がんばってねって何度も何度も頭の中で考えたのに言葉になら なかった。階段の人と一緒に歩いてた友達くんが、何度も階段の人の腕をつつ いてた。階段の人たちはスタスタと行っちゃった。友達くんがつついてたの、 『あの子がおるよ』とかいうサインでありますようにって勝手に思った。

部活が始まる前、しおりちゃんと食堂へ行くことになった。しおりちゃんは遠 回りして階段の人のそうじ場所の前通ってくれた。さすがにもう部活行っちゃ ったでしょって思ってたら、まだ廊下にいた。目が合いそうになって、気がつ いたら私は逆走してた。しおりちゃんが『もうごっち!怒るよっ!恥ずかしが らずに通る!』って引っ張ってくれて、ちゃんと食堂までたどり着いた。食堂 で、『さっきごっちが後ろ向いてたときな、あのひとずっと気にしてくれてたで !』ってしおりちゃんが教えてくれた。ウソーって言ったら『信じてよ!』 って言われた。嬉しかった。

9時前。一日でイチバン緊張する時間。いつも私から、だけど、メールをして ることだけでも幸せだから、今日も私はメールを送る。一通目の返信が来るま での間が、いちばんいちばんドキドキする。何通目かで部活のお話になった。 そういえば大会が近いんだったなぁって思ったから『部活とかで疲れてるのに 毎日メール送ったりしてごめんね。迷惑だったらはっきり言ってくれていいけ ん。』って書いた。そしたら『いやいや。こっちこそメールの相手してもろて ごめんの。』って言われた。私が、階段の人とメールしたいから送ってるの に!って思った。階段の人は謝らないでって思った。

"迷惑ちゃうよ。メールしよってなんかおもしろいし、CD貸してもろたし。" そう書いてあって、すごい泣きそうになった。嬉しすぎた。階段の人は優しい からそう言ってくれたのだと思うけど、本気で嬉しかった。好きだって思っ た。これ以上メールしてたら思わず好きって言っちゃいそうだったから、その 次のメールの最後に『でもやっぱ部活で疲れてると思うし、大会がんばってほ しいけん、今日はこれでメールおわりにするね。いつもメールしてくれてあり がとう。おやすみなさい。』って送った。顔が熱かった。ほんとに、好きって 言っちゃいそうだった。

最後にまたオヤスミって言ってくれた。どんどん、好きになってしまう。

4月17日(木) 晴れ

4月1日〜4月16日分のログ

 

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