もうすぐでパックンの予言通りになるところだった。目覚まし時計は図書館の 開館時間を指していた。すっかり明るくなった部屋を、しばらくの間ぼうっと 見渡してみる。もうお昼過ぎまで閲覧席は空かないだろうなぁなんて思って、 午前中は家で机に向かうことにした。リビングに置いてある新聞を何となく読 んでみたり、何を飲むわけでもなく冷蔵庫を開けてみたりした。この夏休みで 集中力だけはついたと思ったんだけどなぁ。

午後からは図書館で何時間か集中できた。まだ手首に馴染んでいない新しい腕 時計を見ると閉館の15分前を指していた。何となく周りにいる人たちがざわ ざわしているなぁと思っていると、遠くに雷の音が聞こえた。夕立が来る前に さっさと帰っちゃおうなんて思って急いで図書館を後にしたのだけど、家に着 く少し前に雨の粒に追い着かれてしまった。近くのコンビニで少しだけ雨宿り させてもらうことにした。

こんなに大粒ではなかったけれど、花火の日も雨が降ってた。友達くんが貸し てくれた傘をパックンが隣でずっと持っていてくれたんだなぁなんて思って、 少し頬が熱るのがわかった。あのときと同じように、手を伸ばしてみた。さっ きよりも粒が小さくなっていた。『雨止んできたね、よかったー!』そう私が 言うとパックンも手を伸ばした。「まだ降りよるやん。笑」って言いながら花 火が終わる少し前まで傘を差しててくれた。思い出して、伸ばした手で何とな く前髪を梳いてみた。

いつの間にか上映期間が終わっていて観逃してしまった映画を、パックンも観 たかったのに観逃しちゃったみたい。その映画のサイドストーリーのような本 を、雨上がりの涼しい風がすーっと入ってくる自分の部屋でゆっくり読んでみ た。読み終えて、目を閉じる。瞼が熱くなってた。きっと映画館で観ることが できてたら、涙は止まらなくなってただろうなぁなんて思った。隣にパックン がいたら・・なんて思って、そんな嬉しいこと考えちゃダメだって思い直した。

だんだん、考えている時間が長く長くなっている気がする。

8月30日(土) 曇りときどき雨

 

もしかして。でもそんなわけないか。なんてぐるぐる考えながらマナーモード でピカピカ光ってた携帯を開いた。やっぱりパックンではなくて、だけどあゆ みちゃんでもタニミカでもなかった。意外すぎるほど意外で何度も送信者欄を 確かめてしまった。階段の人からのメールだった。

友達の恋のことについて相談受けたあと、最近どう?って聞かれた。気になる 人ができたよって言った。そのことで少しお話したあと、「こんなことなら池 田さんとつきあっとったらよかった」なんて冗談ぽく言われた。冗談ぽく返信 してみた。あんなに真剣だった片想いを冗談にしてしまった。冗談ぽくされた ことがくやしくて、冗談で通した私にも腹が立った。何だかちょっとだけ変な 気持ち。でも、どこかすっきりした気持ち。

「ひみつが男を男にするんだぜ」なんてパックンはかっこいいのかそうでな いのかわかんないことばでたくさん笑わせてくれる。でも相談事や愚痴っぽい お話も最後の最後まで聞いてくれて、アドバイスをくれたり本当の私の気持ち まで当てちゃったりしてくれる。本当にたくさんのたくさんのありがとうを伝 えなくちゃいけないなぁ。日記を書いている今は夜の2時過ぎなのだけど、ず ーっと傍でお話しているみたくメールが続いてた。眠たかったら言ってねって 言われたけどなかなか言いたくなかった。

"明日さーちゃんは昼過ぎに起きると予言しよう ってあんまムリすんなよ"

こんなひとことにまで嬉しくなってしまう。春に会う約束はしてるけど、それ よりも前に会いたいなぁなんて思ってる私がいる。3年振りに連絡が取れて気 持ちが高まっているだけかもしれない。へこんでたときに優しくされたから、 意識しちゃってるだけかもしれない。それでもこんな気持ちになれたことが嬉 しい。

今度はわざと自転車忘れて行こうかな。そしたらまた後ろに乗せてくれる?な ぁんてふたつも季節を追い越して思ってみる。そのときに笑顔で君に会えるよ うに、明日からもひたすら机に向かわなくちゃだ。がんばろう。

8月29日(金) 曇り

 

大きな大きな絵が描かれた板が靴箱に立て掛けてあった。2年生が文化祭で展 示をするのかな。なんて思いながら少し急ぎ足で(というか思いきり走って)教 室に滑り込む。タニミカが「ごっち遅刻かと思たぁ、おはよ!」なんて言って て、私は少し速くなった息を落ち着かせながらおはよって笑った。大好きな教 室には大好きなみんながいて、夏休み前と何にも変わってない。ひとつだけ変 わったことといったら、廊下を走ったとき隣の教室を見なかったこと、かな。

大掃除のとき、しおりちゃんと保健室へトイレットペーパーを取りに行くこと に。しおりちゃんが何かをみつけて「よし、渡り廊下通ろうで。ごっち♪」な んて言った。渡り廊下の真ん中らへんで階段の人とすれ違った。しおりちゃん が「よかったなぁごっち!」ってニコってした。私は何だか上手く笑えなかっ た。

夏休み中に受けた全国模試の結果を持ってケンちゃん(担任)のところに走っ た。ケンちゃんはあんまり人を褒めたりしないのだけど、最後にニカって笑っ てくれた。春頃は「無理ちゃう?」なんて言われてたけど、今日は「あとは英 語やな。他は安定ささないかんで。」と、少しだけ希望が持てるような言葉を 残してくれた。がんばるよ、ケンちゃん!

学校が始まってからも毎日図書館へ行くことにしてる。駅から図書館へ通じる 裏道をみつけたので、何だか「耳をすませば」みたいで嬉しい。ほんの3,4時 間だけだけど、きっと真直ぐ家に帰ってたら勉強じゃないことに使ってた時 間。集中できなくなったらオープンキャンパスでもらった大学の名前入りのペ ンを見て、がんばる。この時間が力になったらなぁって思う。

パックンの高校も授業始まったみたい。苦手な早起きがんばってるのかな。春 に絶対笑って先生のところ行こうね。何年も前の小さな思い出をひっくりかえ しては、何年も前の君に恋をする。寝る前に何通もメールを交わしては、あの 頃と少し違う君に顔が熱くなる。どんどん気持ちが大きくなっちゃいそうだ。

8月28日(木) 曇りときどき雨

 

元カレみた??

"あたりまえだコノヤロー"

鯛飯食べた先輩が許せないだとか牛丼大盛りだったのに大笑いしただとか、ス トーリーにあまり関係のないことをお話した。同じテレビ見て、こうやって感 想を言い合えて何だか嬉しいなぁと思った。明日は早起きせないかんって言っ てたからメールを終わらせようとしたのだけど、気にせんでえーよって言って くれてそれからも続けることができた。嬉しいって思った。

「ロマンチックやろ?」なんて言いながら、尊敬している人のことや夢探しの ことを教えてくれた。進路のことで悩んでいることをいっぱい話してくれて、 私は伝えたいことがなかなか上手く表現できなくて、長たらしいありふれた言 葉を送ることしかできなかったのだけど、何度もありがとうと言ってくれた。

私は中学のころから憧れていた職業があって、そのために行きたい大学があ る。それだけでも十分な理由になるかもしれないのだけど、心のどこかで「み んなが大学行くから私も行かなくちゃ」なんて思っていた。でもそんな考えが ふっとんだ。人に流されている私をとても恥ずかしく感じた。

パックンの考え方はとても大人で、でも夢があって、すごく眩しく感じた。ほ んとにロマンチックだって思ったけれど、強い信念があるようにも思った。こ んな私に話してくれてありがとう。悩んでたことを話してくれてありがとう。 夢探し、行けるといいね。もし反対されてもその気持ちは自信持っていいこと だと思うから、ずっと諦めないでいてほしい。

話してくれて嬉しかった。何にもできないけど、学校も家も離れているから肩 をポンって叩くこともできないけど、ずっとずっと応援したいなぁって思った よ。私も中途半端な気持ちじゃなくて、第一志望の大学行きたいって強く思え てきた。絶対合格してみせる。

問題集を何ページする、というのを各教科ごとに1日の目標を立てていたのだ けど、何だかやっとペースがつかめてきた。図書館で1日中居ることはとても 苦痛だったのだけど、それもいつのまにか平気になってた。この夏の成果が夏 休み明けのテストで残すことができますように。できる。がんばろ。

8月24日(日) 晴れのちくもり

 

左手首に結んだミサンガを見せながら「あいつにもらったん。お風呂んときも 外してないよ。ず〜っと一緒におる気分。あいつ以上に好きやって思う人がで きるまで、ずっと付けとくつもり!」と笑った友達。「あいつ」のことを忘れ るために新しい恋をしてみても、気がつけばいつも「あいつ」に気持ちが戻る みたい。そのミサンガが外れることを願うべきなのかもしれないけれど、これ からもずっと友達の手首にそのミサンガが結んであってほしいなぁなんて思っ た。

諦めたと言っていたけど、きっとまだ階段の人は恋していると思う。階段の人 のとびきり嬉しい顔なんて知らないけれど、きっとあれがそうだったのかなぁ と思う笑顔をしてた。だんだんその笑顔を見るのも平気になってきたよ。いつ か心の底から応援してるって言えたらいいな。言えるように、がんばる。

真っ白なイス。ガラスのテーブル。大きな楕円形の鏡。大好きな大好きな雰囲 気の、大好きな美容室。いつものお兄さんと、いつも通り恋愛についてお話。 自転車の後ろに嫌いな子は乗せんなぁって笑ってて、よかったって思った。手 でも勢いでギュって握ればよかったのに、なんて言われた。そんな余裕なかっ たって言ったら大笑いされた。

新しい髪型になって家までの道を自転車ですーって走るとき、ほんとに何だか いつもと違った気持ちになる。ゴロの写メはまだ撮れてないけど、新しい髪型 になった私を写して送っちゃいたい気分だ。(むちゃくちゃ言われそうだけど) 髪型の変化を気付いてほしいとか思っちゃったりしてみて、私ってやっぱりも のすごく単純だって思った。でもまだこの気持ちを知らないふりしていたい。

8月22日(金) 晴れ

 

ゴロの写メ撮ったら送ろうって思ってたことをパックンに教えると、いっぱい 喜んでくれた。何となく、喜んでくれるかなぁって思ったから言っちゃったの だけど。「でもおれんちのワンちゃんの方がかなりいけてるで」なんて言っ てて何だか言葉遣いとか可愛すぎだ〜って思った。

ときどき「さーちゃん」て呼んでくれるのがすごく嬉しい。学校では名前と全 然関係のないあだ名で呼ばれているし、家族の中では「お姉ちゃん」だし。英 会話教室で先生が「さーちゃん」て呼んでてくれてよかったって思った。パッ クンも下の名前で呼ばれてたら、下の名前で呼んじゃうのにな。でもパックン て呼ぶのも楽しくて何だか好きなのだけど。

2回目のメールのときに「いつもいつ頃寝るん?」て聞かれて『12時過ぎころ かなぁ』なんて言っちゃったから、12時過ぎころになるといつも「あ、もう こんな時間やで!」なんて言われてしまう。今日も12時過ぎころにおやすみ を言った。ほんとはもっともっとメールしたかったのだけど。あのときウソつ いて『3時だよ』なんて言っちゃえばよかったかなぁなんて。でも時間を覚え ててくれて、いつも気にかけてくれるのは嬉しいなぁと思った。

ゴロが大きくなってたってことを言うときにの絵文字使ってたら「それ馬じ ゃん。笑」なんて言われたのだけど、おやすみを言うときに私がゴロのお話を もう一度最後にしたら、パックンも馬の絵文字を最後に使っててむちゃ笑って しまった。私のしゃべり方を真似したり、冗談ぽいことをいっぱい言ってくれ たりして、本当に楽しいなぁって思う。

でも本当に何でも話せるお兄ちゃんて感じだ。いっぱい話せて、いっぱいメー ルできてすっごく楽しいって思う。パックンも楽しいって思っててくれたらい いなぁと思う。思っててくれてますように。

♪この長い長い下り坂を 君を自転車の後ろに乗せて
 ブレーキいっぱい握りしめて
 ゆっくりゆっくり下ってく 

ゆずの「夏色」を、パックン専用の着メロにしてみた。思い出は美化されるっ てよくいうけど、お祭りの日にずっと自転車の後ろに乗せててくれたことが何 だか本当にとっても素敵なことに思えてきた。「夏色」が部屋にいっぱいいっ ぱい響きますように。

8月21日(木) 晴れ ときどき くもり

 

私のお気に入りの美容院はどうやら夏休み中みたいで、違うところにも行って みようかなぁと思ったのだけどやっぱりいつもの美容院がお気に入りだから、 また別の日に行くことにした。ゴロの写メを撮りに行っちゃおうなんて思った ので、地理の問題集放って砂利道を自転車で走った。暑いからかゴロは外に出 ていなかった。英会話教室の中に入る勇気もなかったので諦めることにした。 せっかくパックンに送ってあげようと思ったのに。

古いオルゴールの音色みたいな音楽がずっとずっと流れている大好きな雑貨屋 さん。何にも買わないつもりだったけど、とっても可愛いバッグに一目惚れ。 またしおりちゃんに「ごっちはほんまに鞄とかバッグとか好きやなぁ」なんて 言われちゃいそうだ。友達へのプレゼントも可愛いのをみつけることができて 嬉しかった。喜んでもらえますように。

中学のときの後輩くんから、突然の告白メール。「ずっと前から先輩のこと好 きやで。っていうか俺、先輩以外圏外やで。」あまりにも突然過ぎてからかわ れているのかと思ってしまったのだけど、何度も好きだと言われた。こんなに ストレートな告白は初めてだったから戸惑ったのだけど、好きな人がいるから ごめんなさいって言った。好きな人、なのかな。好きなのかな、やっぱり。

私が部屋で勉強していると、妹が組み立て式のテーブルを持ってきて「みーち ゃんもおねーと一緒に勉強する。」なんて言ってノートを広げてた。お母さん が仕事から帰ってくるとすぐに台所へ行って「みーも何か作らせてー!」なん てお母さんに頼んでた。走り回ることが大好きでボーイッシュな感じなのだけ ど、かなりの甘えん坊。可愛過ぎて可愛がり過ぎてしまう。でも組み立てたテ ーブルは片付けてほしかったな。

明日また学校帰りに英会話教室寄ってみようかな。ゴロいますように。そした ら『ゴロ大きくなってたよー』なんてパックンにメールできる。ゴロいてね、 お願い。夏休みの前半は英語ばかりしていて、やっと最近になって地理を進め だした。ずっと苦手苦手・・と思っていたのだけど何だか楽しくなってきた。こ の調子で今からもう少しだけ勉強。明日も早起きしなくちゃだから、12時ま でには寝なくちゃだけど。よし、がんばろう。

8月20日(水) 晴れ

 

「おねーちゃんにそっくりや。笑」と、妹。
ゆずスマイル。「夏色」は3曲目。大好き♪

「ごっち、なんかすっごいキラキラしよるなぁ。あのひとと同じとこで授業受 けれるけん?わっかりやすー!笑」なんてジャスミンや杉ちゃんがにこにこし ながら言った。私は違うよ〜なんて笑いながら英語のプリントをファイルから 取り出した。少し左に、階段の人が見える。お祭りを断られたときから初めて の学校。本当は今日、休みたかった。でもちゃんと笑顔でいられる自信があっ たから課外受けようって思った。

空き時間のとき、空いている教室でみんなでお話。杉ちゃんのラブラブなお話 を聞かせてもらったあと「ごっちはどうなん?何かあったやろ。笑」なんて言 われた。階段の人にお祭りを断られたことと、でもカズくんやパックンとお祭 り行けて楽しかったことを話した。

「ちょっと待って、ごっちが恋しよる。笑」話し終わると、ジャスミンがそう 言いながら笑った。『・・でもほんとに楽しかったなぁ思た。なんか今ね、心が すっごい晴れとるん。笑』って言ったらみんなが笑った。「楽しいって思える のすごく大事だと思うよ。よかった、ごっちがほんと嬉しそうや!」って杉ち ゃんが言ってくれた。

パックンが"マジおもろいよ"っておすすめしてくれたドラマを私も見ていたか らメールで語り合った。恋愛についてのちょっとした考え方も聞けて嬉しかっ た。パックンとのメールは何だか楽しい。私もたくさん質問するけど、パック ンもいろいろ聞いてくれる。ときどき冗談も混じってて、でも相談には真剣に 答えてくれる。すごくすごく優しいなぁって思う。

あと、番号教えてくれた。ちょっとだけ嬉しかった。嬉しかった!でもやっぱ り幼馴染や友達だという感じに思われているんだろうなぁと思う。それでも何 だか嬉しいから、この関係を大切にしたいと思う。

パックンは の絵文字が好きみたい。いっぱい使ってる。何だか可愛 い!ふー、この気分のまま地理のプリント終わらせちゃおうっと。明日は久し ぶりに美容院へ行くつもり。いつものお兄さんに『思いきり可愛くしてくださ い』なんて頼んじゃおうかな。思いきり可愛くなりたい!

そうだそうだそうだ。花火会場で他のお客さんが帰り始めたときに『うちの時 計まだ9時じゃないけん、まだあるはず!』って私が言うとパックンが「さー ちゃんはほんま可愛いなぁ、"うちのとけいまだくじじゃないけん〜(声真似)" て。笑 でもおれの時計はもう9時過ぎとるけん、もう花火終わりやで!笑」 って言ってた。可愛いって言ってくれてた!なんて思い出してみて、少し嬉し くなってみたりなんかして。

8月19日(火) 晴れ

 

小さい頃苦手だったのに、いつのまにか大好きになってた。

ヨーグルトを大きなスプーンで真っ白なカップに入れる。手作りの冷んやりし たブルーベリージャムを好きなだけ加えて、さっきの大きなスプーンで軽く混 ぜて食べる。おいしすぎて思わずにやけてしまう。夏休みの、毎日の朝食。

「あ〜、あの犬なんてったっけ。大きくなったんかなぁ。」

英会話教室の先生が連れて行ってくれた、バーベキュー場。まだそれは私たち が小学生だったとき。釣りしているお兄さんについていったパックンは、小さ な小さな子犬を抱いて戻ってきた。可愛くて可愛くて、帰る時間が来てもみん な離そうとしなかった。先生は「それじゃぁ、うちで飼うことにしよっか」な んて微笑んだ。

それから「ゴロ」は英会話教室の人気者になった。授業が終わったあと、必ず お菓子の時間にゴロは教室に入ってきて、みんなからお菓子をもらおうと尻尾 を振る。初めは机の上に乗ってぽたぽた一生懸命歩く感じだったのに、私たち が中学生になるころには机の上になんて乗せられないほど大きくなってたんだ っけ。

ゴロにいつもお菓子をあげてたこと、私を迎えにきた妹が持ってたおもちゃの 電話で「これすげーや、もしもし?笑」なんて妹と遊んでたこと、お菓子の時 間のジュースは必ずパックンが注いでいたこと。何だか思い出せば思い出すほ どいいところい〜っぱいみつかっちゃう気がする。

ブルーベリージャムを冷蔵庫に戻そうとして、あのときよく飲んだジュースと 同じのを見つけて、ふと思い出したこと。久しぶりにゴロに会いに行って、写 メ撮ってパックンに送ってあげようかなぁなんて思ってみた。

8月18日(月) 晴れ

 

春休み以来。あゆみちゃんだーいすき。 小6のころの写真。
この中にパックンとカズくんとさーちゃん。

いつも一緒にいたのに春以来ゆっくりふたりで出かけてなかったあゆみちゃん を誘って、一緒に軽く夕飯を食べて、みかっちが招待してくれた定期演奏会に 行ってきた。一曲終わる度に顔見合わせて『すごい心にきた!』「うちも!」 なんて一緒に涙ぐんだ。合唱というものがこんなにも体の中にすーっと溶け込 む感じに響くのなんてはじめてだった。ほんとにほんとに、感動した。(みか っち招待してくれてありがとう!!ここ見てるかな。すっごいよかったよ〜!!ほ んとはロビーでみかっちみつけたら抱きつく予定だったのだけど、みつけられ なかったです。ぐすん(みかっちは、オンラインの友達))

まだ夢見心地な感じのまま、あゆみちゃんと駅に向かった。ちょうど歩いてい るところはパックンに自転車の後ろ乗せてもらった場所だったから、何だか少 しだけ思い出してしまった。予報が外れたからずっと閉じたままの傘を、差す ふりをした。『こうやってね、ず〜っと隣で持っててくれたん。』ってパック ンがしてくれていたように、少し背伸びをした。あゆみちゃんは「うわぁドキ ドキだったでしょ。てゆうかごっちがすごい嬉しそうやぁ」なんて笑ってた。

 
−あ、あのとき撮った写メお母さんに全部へたって言われた

"だろーなあれはうまいとは言えないなぁ"

−もう〜結構力作だと思ったのにパックンは何か上手く撮れたのあった?

"おれは腕はいいはずなんやけど携帯の機能がついてこれんかったみたい(笑)"

−あははは

 
お互いの志望している大学を教え合いっこしたり、こんな風に冗談を言い合っ たり。気がついたら12時を過ぎてて、そろそろ寝ようってことになった。最後 にたくさんメールできて楽しかったよって伝えた。何だか平気に嬉しいとか楽 しいとか言えてしまう。思ったこと全部伝えることができるのって、何だかと ってもいいなぁと思った。

"おれも楽しかったよ、またメールしよー おやすみ☆★"

わぁ〜て感じだった。とろけそうだ。明日も朝から図書館並ぶの、がんばろう って思った。今なら何でもがんばれそう。なんて。

8月16日(土) 晴れのちくもり

 

8月2日〜8月15日分のログ

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